前回は、ウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報局長が西側メディアに語った、プーチン大統領の致死的な健康不安を巡る機密情報に迫った。
ただし、ウクライナの諜報機関トップが暴露した「プーチンは長い間、ガンを患っており、死期は近い」との衝撃情報については、ロシアとの情報戦におけるウクライナ側の謀略情報の一種ではないか、との慎重な見方も存在する。
独裁者プーチンは、本当に余命が危ぶまれるほどの「ガン」を患っているのか──。
そんな中、本連載コラムはブダノフ氏が公にした衝撃的な機密情報を裏づける、有力な事実をキャッチした。ロシア情勢に詳しい外交専門家が明かす。
「実はロシアの医療当局が数年前から、先進国のガン専門医らへ極秘に接触を図り、研究段階レベルの治療法も含めた、最新のガン治療法の提供を求めていた、という重大な事実が存在します。場合によっては、ロシアにある先進各国の外交拠点を通じて、ガン専門医らへの接触が打診されることもあった。表向きは『新たなガン治療法の確立のため』とされていますが、日本を含め、接触を打診されたガン専門医の多くは『ガンを患っているとの情報が流れているプーチン大統領のための、極秘プロジェクトだと感じた』と証言しています」
しかも、ロシアの医療当局によるこの極秘プロジェクトは、現在も精力的に進められているというのだ。外交専門家が続ける。
「先進国のガン専門医らから提供された新たな治療法については、ロシア国内のガン専門病院で次々と臨床実験に移されているようです。つい最近も、新たな治療法のひとつについて、ロシアの医療当局から『臨床実験で良好な治療成績が出た』との連絡が、治療法を提供したガン専門医のもとにあったと聞いている。さらに言えば、ロシアの医療当局がこのような極秘プロジェクトを、自らの判断で実施するはずはありません。要するに、ガンを患っているプーチンの厳命によって医療当局が動いた、ということです」
ブダノフ氏が口にした衝撃的な極秘情報の裏には、このような事実の裏づけも存在していたのだ。情報の確度はさらに高まったと言っていいだろう。
次回(最終回)は、プーチンが患っているとされる「もうひとつの難病」と、独裁者の命運を決する「余命」に迫りたい。