春の統一地方選でひときわ注目を集めているのが府知事、市長、府議会、市議会の「4重選挙」が予定される大阪だ。“ポスト松井一郎”を狙い、ライバル自民党はあのタレント候補で攻勢に出る魂胆だという。
昨年12月、任期満了で政界から引退する松井一郎市長(58)の後任を決める予備選が行われた。在阪・社会部デスクが解説する。
「当初は予備選をテレビでも放送することを予定してたんです。しかし、公職選挙法の『事前運動』に当たる恐れが指摘されたんで、LINEアプリでひっそり投票するだけの内々の選挙になってしもたんですわ。本来、維新の会の創設者・松井市長の不在をもり立て、新たなスターを生み出そうという目的のはずが、街頭演説も公開討論会もなし。選挙が行われたこと自体誰も知らなかったんちゃいますか」
果たしてトップ当選を果たしたのは大阪府議の横山英幸氏(41)だったが‥‥。
「前職の大阪府職員から11年に大阪府議に初出馬し、3期連続で当選。20年からは大阪維新の会幹事長となっている。実直な人柄で、職員時代は橋下-松井体制で身を削る改革を行った苦労人です。父・横山忠始は大平正芳元総理の秘書を務めた香川県三豊市長という政治一家で、府議としては吉村洋文知事(47)の同期です。とはいえ、知名度ははるかに及ばない」(前出・社会部デスク)
グラリと揺らぐ維新の牙城を見逃さないのが市議会では野党となる自民党だ。政治ジャーナリストがその動きをいち早くキャッチ。
「大阪のような大都市は知名度がものをいうのは定石です。『名前のある候補を擁立できれば勝てる』と橋下徹(53)、横山ノック並みの知名度を持つ候補をリストアップした。桂文枝(79)、上沼恵美子(67)、西川のりお(71)は、大阪の顔としてはアリでも、年齢的に厳しい。そこで、白羽の矢が立ったのがロンドンブーツ1号2号の田村淳(49)です」
かねてから「一度は政治家になりたい」と吹聴していたことも好評価されたという。
「城好きで知られる田村にとってはリアル大阪城の城主になれるチャンスです。バラエティー番組などでの歯に衣着せぬ発言などで若者からの支持も期待できる。公約に、『大阪城のお堀の水ぜんぶ抜く』を掲げれば当選する可能性は高い」(前出・政治ジャーナリスト)
しかし、ここで吉本関係者から思わぬまぜっ返しが入った。
「田村は確かに全国区でも、大阪出身ではない。人気はあっても東京発で、大阪のオバちゃんたちを手なずけられるとは思いまへん。ここはやっぱり地元出身のハイヒール・リンゴ(61)しかおらへんやろな。でもリンゴ姉さんは維新とはベッタリ。自民党から出馬するとは思えんけどね」
大物タレント頼みの大阪春の陣はどっちに転がる?