本サイトが10月末に予告していたように、女優・水野真紀の夫である後藤田正純衆院議員が、4月の徳島県知事選に出馬する意思を明らかにした。だが、徳島のある県議はこの出馬表明を痛烈に批判するのだ。
「かつては『徳島のプリンス』などと呼ばれた後藤田氏は、銀座ホステスとの不貞疑惑や女性実業家との男女のもつれなどもあって、永田町でも地元でもいま一つ人気がない。特に地元では水野さんに対する同情の声が絶えないんです。度重なる女性トラブルに当初は夫をかばっていた水野さんも、最近は愛想を尽かしたようで、前回の選挙戦では地元行脚もしませんでしたからね」
こうした指摘に加え、後藤田氏の足を引っ張るのは自民党徳島県連との確執だ。地元の自民党関係者が言う。
「後藤田さんは自民党にもかかわらず、ツイッターなどで、5期目の飯泉嘉門徳島県知事と自民党県連を名指しして、『県民不在のなれ合いべったり県政』などと猛批判している。そのため、地元の自民党関係者が呆れて後藤田離れしているんです。そんな状況で知事選に出たとしても勝てるのか、はなはだ疑問ですよ」
そうした中、今回の知事選では自民党の三木亨参院議員も出馬の動きを強めている。ただ、本来であれば、流れは後藤田氏から三木氏に向かうはずだが、その三木氏も問題を抱えているという。地元市議が解説する。
「三木氏は徳島と高知の合区から比例選の特定枠で当選した参院議員です。仮に知事選に出馬すると、参院の繰り上げ当選になるのは四国とは全く無関係の人物で、自民党の特定枠が意味をなさなくなる。そのため、徳島自民党県連は三木氏に出馬を思いとどまるよう申し入れているのです。が、今のところ聞く耳をもたない様子です」
一方、現職の飯泉知事の動きはどうかいうと、12月19日現在で進退については言及していない。
「後藤田氏も三木氏もいま一つなので、その動きを見極め『もう一期やる』と言い出しそうな気配です。もし出馬すれば、保守系だけで三つ巴の闘いもあり得る。そこに野党が知名度ある独自候補を立てれば、ますます混沌とした状態になるでしょう。となると、やはり決め手は水野さんの動きにかかってくるのです。そもそも後藤田氏の得票の半分は、地元で人気の『水野真紀票』と言われるほどですからね。彼女が『夫をよろしくお願いします!』とあらためて発信すれば、後藤田氏に一票となる人も多いのでは…」(政治部記者)
23年春、徳島にはどんな風が吹くのか。
(田村建光)