地域政党・都民ファーストの会の女性区議の夫が窃盗容疑で逮捕されるという事件が発生し、都民ファースト特別顧問の小池百合子都知事や党関係者らに大きなショックを与えている。
1月20日までに警視庁に逮捕されたのは、自称・会社役員の板倉史也容疑者。昨年12月、財務局の職員を装って都内の80代女性宅を訪ね、キャッシュカード2枚を騙し取った疑いが持たれている。被害女性宅には事前に複数の男女から「あなたのキャッシュカードが詐欺被害に遭っている可能性がある」との電話があったという。
板倉容疑者は不動産会社を立ち上げたがうまくいかず、およそ8000万円の借金を抱え、カネの工面に追われていた。社会部記者が言う。
「青山学院大学卒で、大学時代はレスリングで全日本学生選手権を2連覇する実力があった。卒業後、サラリーマンを経て17年頃に不動産会社を立ち上げたといいます。20年には女優の元谷百合奈と結婚。なんとも羨ましい経歴だけに、今回の事件には驚かされました」
元谷氏は19年に都民ファーストの会から豊島区議選に出馬、当選して区議を務めている。区議会関係者が言う。
「19年の区議選は36議席を51人で争う激戦でした。しかし元谷家は、曽祖父が豊島区議会議長を4期務めた名門一家。元谷さんも、そうした家系に加え、その美貌と『小池チルドレン』の大看板をバックに当選した。今回の事件は本人がやらかしたことではありませんが、根深そうな犯罪に夫が手を染めたとあって、影響が出ないわけがないでしょう」
都民ファースト関係者も、
「ショックです。区民や世間がどう見るか。今春には豊島区議選もあり、党勢に影響がないか心配しています」
と溜め息をつくばかりである。
時を同じくして、国際政治学者・三浦瑠麗氏の夫が代表を務める会社が、太陽光発電事業への出資を名目に約10億円を騙し取ったとして刑事告訴され、東京地検特捜部の家宅捜索を受けている。太陽光発電を推進する小池知事は今、悩みの種が一気に増えつつある状況のようだ。
(田村建光)