1月24日、細田博之衆院議長は議長公邸で衆院議院運営委員会の各派代表による質疑に応じ、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と自身との関係について釈明を行った。
質疑は議事録を残さない原則非公開で開かれたが、細田氏は「教団とのやましい付き合いはなかった」と弁明し、16年の参院選で教団票を差配したとの疑惑についても「一切なかった」と否定。教団トップの韓鶴子総裁が出席した19年のイベントで「今日の盛会を、そして会の内容を、安倍(晋三)総理に早速、ご報告したいと考えております」と述べた一件についても、「リップサービスだった」と説明したという。
返す刀で、細田氏は今後も説明のための記者会見に応じるつもりはない旨を断言。ところが、出席者から質疑応答の詳細が漏れ伝わってくるのに伴い、安倍派内から細田氏に対する怒りの声が上がり始めたのである。安倍派に所属する中堅議員が憤激する。
「安倍さんが総理を務めていた時期、細田さんは安倍さんの名代として、安倍派の事実上のオーナーを務めていました。その細田さんが釈明のためとはいえ、注目の質疑の場であんな発言をするとは、若輩の私も自分自身の耳を疑いました」
安倍シンパの議員らの怒りを買った理由について、この中堅議員はさらに踏み込んで言う。
「細田さんは質疑応答で、安倍さんの祖父にあたる岸信介元総理と教団との関係を引き合いに出した上で、『安倍さんと教団との関係は大昔からのものだが、こちら(細田氏自身)と教団との関係は最近のものだ』と語ったとされます。いくらなんでも、これは許せない。『死人に口なし』をいいことにして自分だけ逃げた、と言われても仕方がないでしょう。早速、安倍派内からは『細田は裏切り者。泉下の安倍さんは浮かばれない』との怒声が上がっています」
もっとも、国民からしてみれば、細田氏も安倍前総理も安倍シンパの議員らも、同じ穴のムジナ。所詮は「コップの中の嵐」なのである。