政治家は国民の声など「うるさいハエの羽音」くらいにしか思っていないのではないか。細田博之衆院議長が9月29日に公表した、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との接点を認めたコメントに、そう感じて憤った人は多いだろう。
細田氏は18年の国際勝共連合の記念大会や、19年の国際会議に出席し挨拶したことや、関係団体の出版物のインタビューを受けたことなどを認めた。しかし、たった紙1枚に、既に明らかにされている事実を書き並べただけのもの。なぜそのような関係を持つに至ったたかの説明は全くないばかりか、反省の弁もなかった。野党側の猛反発を受け、文書で追加説明をするとしているが、これには永田町関係者も憤りを隠さない。
「細田さんと旧統一教会との関係を追及しないのはおかしい、という声があり、いつまでたっても収まらない。それで仕方なく、映像などが残っているものについては認めた、というだけですね。この紙っぺら1枚からは『めんどくせえなぁ、もう』という書き手の気持ちが伝わってきます。国民の怒りに真摯に向き合おう、という気持ちは微塵も感じられない。これが日本の国会議員か、しかも衆院議長かと思うと、その無責任ぶり、厚顔さがただただ情けない」
細田氏は19年の旧統一教会の関連団体のイベントの挨拶で「安倍総理にさっそくご報告致したい」と、にこやかな笑顔を見せている。選挙での旧統一教会票をとりまとめていた、との証言も浮上している細田氏は、安倍元総理とともに「旧統一教会と自民党をつなぐ総元締めだった」との説も…。
「旧統一教会は日本で税制上の優遇を受けながら、日本の信者から搾り取った金を韓国に流すカルト団体。韓鶴子総裁は『政治と宗教はひとつにならなければなりません』と主張しています。そんな団体と蜜月関係にある政治家などもってのほかだと、国民は怒っている。なのに、安倍さんと旧統一教会の関係について、岸田総理は『本人が亡くなられた時点において、その実態を十分に把握することは限界がある』として、完全に逃げ腰になっている。そんなごまかしが、このまま通るのか…」(政界関係者)
岸田総理が得意とするのは「聞き流す力」になってしまった。