南海、オリックス、ダイエーの主軸として活躍した門田博光氏が1月24日、兵庫県の自宅で亡くなっていることが確認された。享年74。
門田氏は本塁打王3回、打点王2回、最高出塁率3回獲得のスラッガーで、通算本塁打567本は王貞治、野村克也に次ぐ歴代3位。2566安打は張本勲、野村、王に次ぐ4位と、偉大な功績を残した。
野球解説者の田尾安志氏が、自身のYouTubeチャンネル〈田尾安志【TAO CHANNEL】公式YouTube〉を更新(1月25日)し、門田氏の血気盛んな仰天エピソードを明かした。
それは田尾氏が西武に移籍した85年のこと。投手陣には入団4年目の工藤公康がいた。
「門田さんに対して、これは狙っていったわけじゃないんですけど、インサイドにきわどく投げていく。それがあわやデッドボールになるか、といったことがあったんですね」
その回を投げ終わると、裏動線を通って西武のベンチ裏を訪れた門田氏が、怒声を響き渡らせたのだ。
「工藤を出せ! 生意気な小僧、呼んでこい!」
田尾氏が続ける。
「その時は事なきを得ましたけども、門田さん、凄い迫力だなって。たぶん工藤もビビッたんじゃないのかな、って気がしますけども」
スポーツライターが言う。
「工藤は85年に初の最優秀防御率を獲得。プロ入り初の完投勝利をこの年の7月9日、南海から挙げています。そのあたりの鬱憤もあって、門田氏が牽制したのではないでしょうか」
スイング同様、豪傑ぶりがうかがえるエピソードなのである。合掌。
(所ひで/ユーチューブライター)