全国各地で発生した強盗事件を巡り、警視庁が特殊詐欺事件で逮捕状を取っていた、フィリピンの収容所にいる「ルフィ」こと渡辺優樹容疑者ら4人が、同時に強制送還される可能性が高まった。社会部記者が語る。
「2月8日にはフィリピンのマルコス大統領が訪日予定で、レムリア法相はこの日までに4人を一度に送還したいと話しています。実現すれば異例のスピードですが、それと同時に大きいのは、フィリピン政府が4人から没収している携帯電話も日本の当局に提供する予定であるという点。スマホ内に残されたデータから『受け子』や『出し子』のネットワークや、強盗事件に絡むやり取りも判明する可能性が期待できるからです」
ただしこの携帯電話、提供されたところで、既に証拠としては何の役にも立たない状態になっている、との指摘もある。いったい、どういうことか。
「フィリピンの収容所では職員へのワイロがまかり通り、特に4人がいたビクタン入管収容所は腐敗しきっている。4人のうち渡辺容疑者と今村磨人容疑者は入所後、すぐにシャワーとトイレ付きの『VIPルーム』へと移されたそうです。そこには通常の部屋にはないエアコンなどの家電も完備され、食事も宅配ピザや肉、魚も手に入る。収容所とは思えない生活を送っていたようです。それもこれも、一回10万円単位でのワイロが職員に渡っていたためで、スマホも使い放題だったといいます」(前出・社会部記者)
つまり、没収される前にワイロが払われ、データが消去されていた可能性が高いというのだ。ITライターによれば、
「スマホ内のデータ復元は、以前ならかなり詳細に可能でしたが、ここ数年の間に出た新しいスマホの場合、ショートメールやLINEの内容の完全な復元は困難になってきているとされます。最悪の場合、データが消去された時期しかわからない、ということもありうる。4人が所持していたスマホがいつの年代のものかが、今後の捜査における重要なポイントとなるでしょう」
はたして、どこまで追い詰められるか。