これは「第二の清原」化か──。
サイズアップしてキャンプインした阪神・佐藤輝明に、懸念の声が出ている。
阪神の沖縄キャンプを取材する在阪テレビ局関係者は、巨大化した佐藤の肉体に驚きを隠さない。
「昨年までは公称187センチ、94キロでしたが、肉体改造でひと回り大きくなったことは、本人も認めている。完全に100キロオーバーですね」
阪神に入団して以降、その飛距離は常々、注目を浴びてきた。口うるさい猛虎OBも、佐藤の打撃練習には、
「もう天性のものと言うしかない。あそこまで飛距離を出せる選手は、そうはいない。フリー打撃で金が取れる」
と手放しで称賛しているのだ。
だが試合になれば、話は別。バットに当たらなければ、スタンドインすることは絶対にない。しかも、飛距離100メートルでも130メートルでも、ホームランはホームラン。これまで以上にパワーを付けて飛距離アップを狙う意味はどこにあるのか。
長年、プロ野球を取材するベテラン記者が、警鐘を鳴らす。
「晩年の清原和博も、過剰なウエートトレーニングで体を大きくして、失敗した。肉体改造で体重を増やしたことで持病のヒザに負担がかかり、本来の打撃ができず、結局は選手寿命を自ら縮めることになったわけです。過剰な肉体改造をした佐藤は、それと同じ危険性をはらんでいる」
ソフトバンクの柳田悠岐と自主トレを行い、柳田流の、ポイントを後ろに置いた打撃に挑戦していることで、岡田彰布監督以下、首脳陣は不満を抱いているという。
「岡田監督はポイントを前に置く打撃を求めていますからね。秋季キャンプでは三塁の守備にもダメ出しされている。故障でもすることになれば、見限られるのは時間の問題でしょう。最近、人間が丸くなったといわれる岡田監督ですが、自らの野球理論には絶対の自信を持っており、それから逸脱することは許さない人ですからね」(在阪スポーツ紙デスク)
過去、素材は一級品と呼ばれながら開花することなく、球界を去った選手は多い。清原氏並みの成績を残した後ならまだしも、このまま終わってしまうことがないよう祈りたい。
(阿部勝彦)