中国人女性が行ったSNSへの投稿動画が物議を醸し、ワイドショーなどで大騒ぎだ。
「あれが、私が買った島です。いい感じです」
船上から大海原をバックにはしゃぐ女性が指差したのは、屋那覇島。沖縄最大の無人島だった。屋那覇島の面積は74万平方メートルで、砂浜など約4割は伊是名村の所有地。残る約6割が売買されたという。
中国のSNS上では「中国の領土が増える」「日本占領」など、覇権主義まる出しの過激な発言が飛び出している。島や土地を買ったからといって、実際に他国の領土になることはないわけだが、これがまんざら世迷言とも言い切れない面があるのだ。中国事情に詳しいジャーナリストが言う。
「中国には17年に制定された、国家情報法という法律があります。この中で、中国国民は国家の情報活動に協力しなくてはならないと決められている。屋那覇島から60キロの距離には米軍の嘉手納基地がある。偵察気球を飛ばすような国ですから、情報収集活動のために土地を寄こせと言い出す可能性だってあります」
それでなくとも、中国は北海道の水源地をはじめ、ビジネス目的で日本の土地を買い漁ってきた。安全保障上にも大きな懸念がある。なんとか法律で規制できないものなのか。
「中国では土地を個人が所有することができません。あくまで土地は国家のもので、個人が買えるのは土地の使用権なのです。中国人であっても、使用権には70年間という期限が付けられている。そして日本人が中国の土地の使用権を買おうとすると、様々な規制が設けられています」(前出・ジャーナリスト)
その規制は中国国内での居住実態と期間、さらにビジネス目的で複数の使用権を買うとなると、中国国内の金融機関でローンを組ませるなどなど、ガンジガラメなのだとか。
「法律の相互主義にもとづけば、日本人が中国の土地を所有できないのなら、中国人が日本の土地を買えないようにする、あるいは規制を設けてしかるべきです」(前出・ジャーナリスト)
居住実態の規制があれば、屋那覇島を買った中国人女性は電気も水道もない無人島に住まねばならない。「素敵なアラブの王子様に出会ったら、売ってもいい」などとのんきに話していたが、そんな夢物語など、泡と消えるのである。