各局の冬ドラマがいよいよ終盤に差し掛かる中、今期「最下位」を独走しているのは、竜星涼が主演する「スタンドUPスタート」(フジテレビ系)だ。
初回から世帯平均視聴率4.1%で躓くと、2話目以降は3%台の沼から抜け出せず。その苦戦ぶりを、テレビ誌記者が解説する。
「4話では3.2%を記録し、打ち切りも検討される厳しい状況です。竜星はNHKの朝ドラ『ちむどんどん』(22年度前期)でヒロインのダメ兄『ニーニー』役で話題になった後の主演作で、タイミング的にはバッチリだったはず。共演者もベテランの反町隆史、中堅に小泉孝太郎、若手に吉野北人や水沢林太郎と世代別のイケメンを揃え、放送開始前は目の保養にもなると話題になっていたのですが…」
もはやV字回復の兆しも見えない中、「今作もダメだったか」と、嘆き節が聞こえてくる。
というのも「スタンドUPスタート」の放送は「水10」と言われるドラマ枠なのだが、これまでヒット作に恵まれていなかった因縁があるからだ。
「22年の春ドラマ『ナンバMG5』で6年ぶりに水10枠を復活させ、相当に力を入れています。しかし『ナンバMG5』の視聴率が伸び悩むと、バトンを受けた『テッパチ!』も沈み、その次の『親愛なる僕へ殺意をこめて』にいたっては、8話で2.5%と大爆死しました。局内では、復活して1年目ということもあり、まだ視聴者にドラマ枠が定着していなかったと言い訳ができましたが、『スタンドUPスタート』の不振は想定外でした」(フジテレビ関係者)
その低迷ぶりは、思わぬ余波も生んでいた。芸能プロ関係者が声を潜めて明かす。
「ドラマの枠が増えたのはいいことだけど、知名度があっても数字が伸びないのは、正直言ってしんどい。『低視聴率俳優』のレッテルを貼られたら、そのイメージを払拭するまで、だいぶ時間がかかる。芸能事務所の間では、フジの水10枠だけは鬼門だからタレントを出したくない、という話を耳にしますね」
そっぽを向かれつつある水10枠では、4月に「わたしのお嫁くん」の放送が決定している。
同枠ではこれまで男性が主演を担ってきたが、人気女優の波瑠を主人公に起用し、負のスパイラルから浮上するきっかけをつかみたいところだ。