全国旅行支援や外国人観光客の受け入れで盛り上がる、旅行業界。昨年11月に近畿日本ツーリストが発表した秋冬・県別予約者数ランキングによると、東京ディズニーランド・ディズニーシーがある千葉県が1位、続いて紅葉スポットが多く関西を代表する京都が2位という結果になった。国内観光客のみならず、インバウンドも戻りつつある京都だが、ここ最近は「夜の街の治安が悪くなった」と頭を抱えるのは、市内でも旅行者が多く訪れる木屋町(写真)の飲食店店員だ。
「旅行者の受け入れが再開し、飲み屋に客が戻ってきたのはいいのですが、質の悪い酔っ払い旅行者が以前よりも増えました。酔っ払ってトイレに閉じこもったり、便器以外の場所に用を足したり、嘔吐したり。会計を忘れて帰ろうとした外国人女性客をスタッフの女の子が呼び止めたら、逆上されてつかみかかられたこともありました」
コロナ前、京都では飲食店などでマナーのなっていない外国人観光客が問題視されていた。だが最近では、自粛解除に浮かれた日本人の不品行も目立っているという。飲食店店員がさらに嘆く。
「特に困るのは破壊行為。店の椅子を投げる、トイレのドアを蹴る。見つけ次第、通報しますが、備品を壊されたらその日の営業ができなくなるおそれがあります。先日も酔っ払った外国人旅行者が、店前に出している看板を蹴飛ばして警察沙汰になっていました。そうしたマナーが悪い旅行者のせいで、他のお客さんが来なくなったりしなければいいけれど…」
今後、さらに旅行者が増えるにつれ、問題は積み上がっていくのである。