韓国の尹錫悦大統領が3月16日から2日間の日程で訪日し、日韓首脳会談が行われた。韓国大統領が日本を訪れての首脳会談は、国際会議を除けば12年ぶりのことで、これにより「シャトル外交」も復活することとなった。
昨今の韓国の日本への歩み寄りについて、公安関係者は次のように指摘する。
「今回の首脳会談の目的について、両首脳は表向き、日韓の経済協力や対北朝鮮の動きを巡る安全保障協力の推進などとヌルいことを言っています。ところが両首脳は合わせて1時間半にもわたり会合を重ね、ごく限られた関係者のみでの密談もあった。そこでは中国・ロシア・北朝鮮について相当に突っ込んだ意見が交わされたと、もっぱら。尹大統領にすれば、目の前の火の粉を払うため日本の力が必要と決断した、非常事態の中での来日ですよ」
日韓関係はここ数年、戦後最悪と言われてきた。最大の要因は、韓国が元徴用工問題や従軍慰安婦問題などを振りかざしてきたことにある。その韓国が今回、国内の反発をヨソに、徴用工問題では自ら解決策を打ち出し、電撃訪日にまでこぎつけた。
「この決断の背後には、米バイデン大統領の強い働きかけがありました。日米韓で強固な連携をとらなければ、韓国は北朝鮮の侵攻により『第二のウクライナ』になると、相当ハッパをかけられたという話です」(前出・公安関係者)
防衛省関係者が踏み込んで解説する。
「米国防省筋が韓国に説明したところによれば、中国が年内か来年、台湾侵攻に動くと断定したというのです。同時に北朝鮮が連動し、ソウルと日本の米軍基地を火の海にする作戦を実行する可能性も指摘された。さらに問題なのはロシアで、これらに呼応する形でウクライナ侵攻前に計画していたとされる北海道侵攻に動く、との話まで出ている。こうしたバイデン大統領の強烈なシグナルに、尹大統領も日本と手を結ぶハラを決めたわけです」
その上で、北朝鮮については韓国が急ピッチで、有事の際の対応策を進めているという。前出の公安関係者は、驚くべき計画を明かす。
「北朝鮮による韓国へのミサイル攻撃の兆候が見られた場合は、間髪入れず韓国特殊部隊の金正恩暗殺隊、いわゆる『斬首部隊』が動くと聞いています。韓国はイスラエル情報機関『モサド』などが使用する要人打撃用自爆ドローン『ロテムL』を今年1月に緊急輸入しており、正恩本人をはじめ実妹の金与正朝鮮労働党副部長ら側近を、ピンポイントで殲滅するのだといいます」
日本はその時、どうするのか。
(田村建光)