メディアを取り巻く環境は日々厳しくなっているが、とかくラジオ業界は特に厳しさを増している。今春から2局が、野球中継から事実上「撤退」したことが分かった。
まずはソフトバンクを中継していた九州朝日放送(KBC)ラジオが土曜、日曜のホークス戦ビジター中継から手を引く。局関係者によれば、
「福岡PayPayドームの試合は引き続き中継しますが、敵地の試合は他局に中継を委託しなければなりません。その予算が出なくなったということ」
裏局のRKB毎日放送ラジオは、中継権の関係で神宮のヤクルト主催試合を中継できないため、KBCラジオは「ホークス戦全試合中継」を売りにしていたが、その看板を下ろすことになる。
もう1局は2017年限りで自局でのプロ野球中継をやめたTBSラジオが、横浜スタジアムでの「代理制作中継」からの撤退を決めた。TBS関係者が事情を明かす。
「今まではRCCラジオ、ABCラジオ、MBSラジオ、CBCラジオなどから制作費をもらい、委託中継していたのですが、人件費などが高騰する中で継続が難しくなった」
今後は同局を窓口に、他のラジオ局に「再委託」する形で代理制作を続けるか、中継のテレビ映像を見ながら実況するオフチューブ形式に順次、切り替わる。