「社内に貼ってあったモチベーション・アップ株式会社のPRポスターをすべて剥がしたら、会社を辞める人が激減した」
そんなつぶやきを発したSNSから火がつくと、「モチベーション・アップ株式会社とはなんぞや」と大きな話題に。なんともキャッチーな会社名だが、意外に多くの企業でそのポスターを見かけるというのだ。
1日12時間労働が当たり前のブラック企業に勤めていた20代男性の会社員は、次のように語る。
「自分が働いていた会社でもそのポスターをよく見かけましたが、だいたいブラック企業ではよく貼っている、と話題になりましたね。通称『モべプ』、ネーミングだけだと自己啓発色が強くて怪しい。まぁ、実際に怪しいですけど」
ポスターのコピーは通常、社員を鼓舞するような言葉が多いのだが、モチベーション・アップ社の公式サイトには、社員教育をメインに「社長の目線で社長の感性に合うポスター・読本・セミナー・DVDを使いやすさ・続けやすさ・独自性にこだわり続けて提供することを約束」「できる管理者になる5つの急所」と記載されている。前出の会社員は、
「社長目線、管理者目線っていうところが、ちょっと時代遅れな気がします。それぞれの社内で作ればいいと思いますが…」
従業員を鼓舞するはずのポスターのキャッチコピーが「おしつけがましい」として、皮肉にも逆効果になっているという現状。それが「ポスターを外したらヤル気が戻って、離職者が減る」結果につながったのだ。ただ、先の会社員は、
「でも、秘かにそのポスター探しを楽しみにしている若者もいたりする」
とも言うから、需要はあるところにはあるのだろうが…。