7月24日、中日ドラゴンズの公式サイト上に〈応援団の結成と団員募集について〉と題する文章が登場した。いわゆる応援団員をあらためて一般公募するというわけである。いったいナゼ? これまでの応援団はどこへ行った? コトここに至るまで、ペナントレースより激しい「球団と裏社会の攻防戦」が繰り広げられていたのである。
球団サイトによると、希望者は応募用紙をダウンロードして申し込み、書類審査、(楽器演奏などの)実技審査、面接を経て、20人程度に合格通知を出す、となっている。
そういえば、今シーズンは本拠地ナゴヤドームでの鳴り物応援がまったく見られない。そのうえ、新応援団を結成するとはいったい何事なのか。発端は6年前に勃発したトラブルだった。スポーツ紙デスクが解説する。
「08年3月、日本野球機構(NPB)と12球団などで組織されるプロ野球暴力団等排除対策協議会(以下、協議会)が、私設応援団の名古屋白龍会と、全国竜心連合傘下7団体の計8団体に対し、球場出入り禁止、鳴り物を使った組織的応援の禁止などを通告しました。通常、許可がなければ、鳴り物応援はできないことになっています」
この名古屋白龍会、全国竜心連合をはじめとする中日の私設応援団は全て、一般社団法人の全国中日ドラゴンズ私設応援団連合(以下、私設応援団連合)に加盟している。ところが協議会の決定は違法だとして応援団サイドは提訴し、全面対決に発展。現GMの落合博満氏(60)が指揮を執る中日は激震に見舞われた。球団関係者が言う。
「NPBはかねてから、プロ野球と反社会的勢力の関わりを拒否する姿勢を打ち出していますが、当該応援団の役員にそうした人物、山口組の地元組織、弘道会の関係者がいたのです」
裁判は最高裁にまでもつれた結果、応援団サイドの訴えを棄却。敗訴が確定したのは13年2月だった。
落合氏がGMに就任後の今年1月、協議会はさらに、残りのナゴヤドラゴンズ会、ドラゴンズ愛好会、名古屋龍会、北陸ドラゴンズ応援団の4団体に対しても、応援許可を保留。球宴前までに「改善」が認められなければ応援は許可しない、と通知した。
「NPB、中日=落合GM」vs「応援団」のバトル第2ラウンドである。この「改善」とは何か。
「名古屋白龍会と全国竜心連合を私設応援団連合から脱退させること、役員の刷新と名簿の提出などを要求したのです。ところが4団体はこれを拒否。NPBは、弘道会関係者を外さないと応援許可が出ませんよ、と通達したわけですが、聞き入れようとしない。その人物がいないと応援が成り立たないということなのか‥‥」(NPB関係者)