WBCで世界一を奪還した栗山英樹監督(61)が、5月末で退任予定となっている侍ジャパン。話題は次の監督人事に移るが、早くも手を挙げそうな“優勝請負人”など、水面下では様々なプランが想定されているようで──。
3月31日、日本野球機構の井原敦事務局長は、次期監督の人選について問われると「まだ何も考えておりません」とだけ話した。大谷翔平(28)、ダルビッシュ有(36)らスター軍団を擁して掴んだ世界一。これを引き継ぐトップチームの監督となれば、あまりにも荷が重い。
「以前は小久保裕紀氏(51)、稲葉篤紀氏(50)など、いわば指導未経験者の登竜門の側面もありましたが、今やそんな簡単なポジションではなくなりました」(パ・リーグ球団幹部)
今回の第5回WBC前後で、代表監督の格が一気に上がっているのだ。
では、誰が適任なのか。大会後には早くも、「過去最強メンバー」とも呼べるチームを作り上げた、栗山監督の続投を望む声が多く上がっていた。アマ球界にも独自の人脈を持つ栗山監督は、各世代の代表を擁する侍ジャパンにとっても好都合と言える。
「侍ジャパンは次代を担う『U─18』など各世代の代表をそろえており、トップチームはその総本山。野球評論家時代に『熱闘甲子園』(テレビ朝日系)のキャスターとして高校野球取材に熱心だった栗山監督だけに、その人脈を絶やしていいのかとの声も多い」(スポーツ紙デスク)
とはいえ、栗山監督自身は周囲に「もうやらない。俺は(自宅のある)北海道に引っ込んで農業従事者になる」と本音を語っているようだ。
「契約延長するかどうかは本人もあずかり知らぬ話です。今は7月末までテレビ、イベント出演で予定が埋まっており、講演会の依頼も殺到している。本人は交通費程度の手弁当で、野球振興目的に全国行脚する計画だといいます」(スポーツ紙デスク)
栗山監督の再登板が不透明な中、毎回、WBC東京ラウンドをMLBと共催する、巨人の親会社・読売新聞サイドにはキナ臭い思惑があるという。
「高橋由伸氏(48)を推薦したいんです。それでも、巨人時代の監督3年間での成績を見れば、“ポスト栗山”としてプッシュするには材料に乏しすぎるでしょう」(球界関係者)
むしろ巨人では、今回の3度目の世界一を受け、ガゼン、色気を出しまくっているのが、09年の第2回大会を指揮した原辰徳監督(64)だった。
「本人は今季が巨人との3年契約の2年目。ですが坂本勇人(34)、菅野智之(33)らが開幕から調整不足、絶不調で、早くも苦戦を強いられている。仮にV逸すれば任期を残して退任する言い訳にもなりますが、ベストは“原マジック”でチームを優勝に押し上げ、勇退してからの侍ジャパン監督に“横滑り”するプラン。実は『栗山君ができるなら、俺だってもう1回世界一になりたい』と周囲に漏らしていて、興味はすでに巨人からドリームチームの指揮官に心が移っているとも。以前より折に触れて『野球界発展に寄与したい』と言い続けていますが、侍ジャパンをその集大成にしたいようです」(球界関係者)
一方で、第2回のWBC制覇以後に黒い交際が報じられた経緯があり、スポンサーから難色を示されることも想定されているというが‥‥。