いったい何を考えているんだ! 巨人・原辰徳監督の選手起用に対し、OBからブーイングの声が巻き起こっている。OBのひとりがまくしたてる。
「確かに開幕から坂本勇人の不調もあり、オーダーを組むのに苦労しているのは分かる。とはいえ、4月9日の広島戦はあまりにひどすぎた。まったく理解不能だ」
問題になっているのは、松田宣浩の二塁手での起用だ。9日の試合で松田は、4回二死から赤星優志の代打で登場。広島の玉村昇悟からボテボテの内野安打を記録して、お役御免と思われていた。ところが攻撃終了後、門脇誠の代わりに二塁の守備位置に就く仰天事件が起きたのである。
ソフトバンク時代の松田は、三塁手としては歴代最多となる8度のゴールデングラブ賞を受賞した名手だ。だが二塁手としての出場は、プロ通算1916試合目にして初体験。案の定、西川龍馬のゴロを取り損ねるチョンボを犯している。
確かに春季キャンプで原監督は「専門ではないと思うけど、やっぱりちゃんと無難にこなすと思いますよ」と話し、松田に二塁手としてシートノックを受けさせている。
だが松田の二塁はあくまで、試合中に発生した超緊急事態に対応する時のみと思われていた。シーズンはまだ始まったばかり。指揮官の「攻撃に転じるということです」との説明に、あちらこちらから疑問の声が漏れ出すのも無理はない。スポーツ紙遊軍記者もアキレ顔だ。
「昨年の阪神・矢野燿大監督の選手起用を彷彿させますね。大山悠輔や佐藤輝明らの守備位置をコロコロ変えて、集中砲火を浴びましたね。それでも矢野監督はまだ、オープン戦では試していた。公式戦でいきなりの起用は信じられませんね」
今季、ペナント奪回をもくろむ原監督だが、このまま迷采配が続くようでは、シーズン中に進退問題が浮上する苦しい立場に追い込まれかねない。
(阿部勝彦)