今季からMLBのアスレチックスでプレーする藤浪晋太郎が、早期にクビになるピンチを迎えている。
藤浪は開幕から2試合に先発しながら突然崩れる、日本同様の背信登板を続けている。日本時間4月13日終了時点での成績は0勝2敗、防御率17.55。春季キャンプでは好意的だった現地メディアも「本当にショウヘイ・オオタニのライバルだったのか」「もう顔も見たくない」などという手厳しい報道が主流になってきた。
MLBに詳しいスポーツライターは現状について、
「アスレチックスは先発投手が足りないため、藤浪が先発で2試合起用されたわけですが、今のままなら生き残るのはとても難しい。契約内容も首を絞めることになりそうです」
藤浪の今季の年俸は325万ドル(約4億3300万円)だが、問題となっているのが出来高、つまりボーナスだ。活躍して獲得するMVPやサイ・ヤング賞に支払うなら、チームも大喜びだろう。
ところがAP通信が以前、報道したところによると、先発数が5、8、10試合に達すると、それぞれ10万ドル(1330万円)、13、18試合では各15万ドル(1999万円)、22、25試合では各20万ドル(2660万円)が支払われる。もし、いくら打たれ続けても、25試合に先発さえすれば、合計で100万ドル(1億3320万円)に及ぶ金額を、球団は支払わなくてはいけない。
元々、アスレチックスはMLB30球団の中でも、財政的な基盤が弱い。325万ドルの年俸でも「かなり無理をしている」(前出・スポーツライター)だけに、盗人に追い銭的な、無駄な支出は避けたいのが本音だ。
この時期、メジャー各球団が直接支配下に置ける選手は40人。そのうち公式戦に出場できる資格を持つ選手登録枠は26人だ。その人数でレギュラーシーズン開幕から8月31日までの選手起用をやりくりしなくてはならない。
8月31日までの間、26人枠に含まれない40人枠内の選手は、マイナー契約の選手とともにマイナーリーグで調整や公式戦を行いながら、26人枠の選手との入れ替わりを待っている。
チームとしては、不振を極める選手を置いておく余裕などない。もし、新たな選手を40人枠に登録する場合は、40枠内の任意選手をDFA、つまり事実上、解雇する必要がある。
藤浪は1年の単年契約。26人枠から一度外れれば、契約延長どころか、再びメジャーのマウンドに戻るのは難しいだろう。
次回の登板は日本時間4月16日のメッツ戦(オークランド・コロシアム)とされている。ここで結果が出なければ、事実上の解雇へまっしぐらだ。
(阿部勝彦)