政府が北海道を対象とした全国瞬時警報システム(Jアラート)を発出したのは、4月13日午前7時55分。当初は8時頃に北海道付近に落下するとの警報だったが、8時16分には「落下の可能性がなくなった」と訂正された。
防衛省などでは北朝鮮の内陸部から東方向に向け、少なくとも大陸弾道ミサイル(ICBM)級のミサイル1発が高い角度で発射されたと発表しているが、日本領域内には落下せず、EEZ(排他的経済水域)への飛来も確認されなかった。松野博一官房長官は会見で「探知の直後にレーダーから消失した」としており、なんとも不気味だ。
軍事ライターは可能性のひとつとして、こんな指摘をする。
「ミサイルが消えたということは、上空で爆発した可能性が考えられます。意図的にやったとなれば、上空で核弾頭を爆発させる電磁パルス攻撃の訓練だった、との見方もできます」
電磁パルス攻撃は、高度30キロから400キロの上空で核爆発を起こし、そこで発生する強力な電磁波により、電子機器に大ダメージを与えるというものだ。その影響範囲は半径100キロから1000キロに及ぶとされる。電子機器によって制御されている水道やガス、電力網などのインフラをはじめ、パソコンや電車、航空機、自動車などに誤作動を起こさせ、攻撃を受けた国は大混乱に陥るというのだ。
「現に朝鮮日報では3月20日、前日に模擬の核弾頭を搭載した弾道ミサイルの発射訓練を行ったと報じており、日本海上空800メートルで正確に空中爆発させた、としています。今回はその実績を重ねるための、高高度での実験だった可能性がありますね」(前出・軍事ライター)
となると、Jアラートが鳴ったとしても、何の役にも立たないということか。