オークランド・アスレチックスの藤浪晋太郎が好調をキープしている。
7月9日(日本時間10日)のレッドソックス戦の8回にリリーフ登板すると、2/3回を無安打無失点で切り抜けた。これでメジャーでの自己最長を更新する、6試合連続無失点。この間、6回2/3を投げて被安打4、死球を1つ与えただけで与四球はゼロと、コントロールが安定してきた。特に4日のタイガース戦では三者三振という圧巻のピッチングで、チームトップの5勝目を挙げている。開幕直後は先発投手として結果が出ず「メジャー史上最悪の投手」とコキ下ろされたが、ここにきてメディアの評価、ファンの反応は急速に改善してきた。そのため、アスレチックス専門メディアでは、「シンタロウ・フジナミは、トレードに使える一員と言えるだろう」と発信する記者も。
好調なのにトレードとはどういうことなのか。メジャー関係者が言う。
「アスレチックスは現在ア・リーグ西地区で、大きく引き離されての最下位。すでにポストシーズン進出は絶望的で、来季に向けてのチーム作りが急務となっています。アスレチックスは資金力がなく、高年俸の選手を放出して、年俸の安い若手有望株を獲得するのが常套手段なのです。藤浪は年俸325万ドル(約4億6900万円)と、チームで5番目の高給取り。プレーオフ進出を目指す球団の中には、中継ぎ投手を補強したいチームもありますからね。藤浪が今の調子をキープできるのなら、欲しがる球団はいるのではないか」
トレード期限は8月1日。有力チームに移籍した藤浪がポストシーズンで活躍し、同期のライバル・大谷翔平を出し抜く光景が見られる…かもしれないのだ。
(石見剣)