手軽に買えるお菓子として人気を博した「ガム」。近年はタブレットやグミの台頭で「ガム離れ」が加速し、年々生産量が減少している。
日本チューインガム協会が発表した「チューインガムの生産量」によると、2004年の4万6100トンをピークに減少が続き、21年には1万8950トンと、17年で約6割も減少しているのだ。
そんな中、ロッテが4月18日から「スペアミントガム」を10年ぶりに、「マンゴスチンガム」を23年ぶりに発売。真っ白のパッケージに「SPEARMINT」の文字が印刷されたパッケージに懐かしさを覚える人は少なくないだろう。食品ジャーナリストが解説する。
「ガム離れが進む理由は、タブレットやグミのせいだけではありません。噛んだ後にでるゴミが最大のデメリットなんです。例えば各鉄道会社が構内のゴミ箱を使用禁止にし始めたのは1995年の地下鉄サリン事件から。ガム生産量ピークの2004年にスペインの駅で起きた大規模な爆破テロ事件が、ゴミ箱撤去に追い打ちをかけました。街中のゴミ箱が圧倒的に少なくなり、同時にガム離れが進んだと思われます」
ボトル入りの粒タイプも、結局は包み紙やティッシュがないと、どうにもならない。
「眠気覚ましであれば、今は強力なエナジードリンクがありますからね。ガムが売れなくなるのはある意味、仕方のないことです」(前出・食品ジャーナリスト)
そうした状況下での、ロッテによる復活発売。物珍しさで案外、話題になるかもしれない。
(ケン高田)