今年30周年を迎えたサッカーJリーグで、一度もJ2に降格していない鹿島アントラーズがドロ沼にハマッている。
かつては神様ジーコの下、Jリーグの王道を歩んできたが、今はその見る影もない。2019年にメルカリが買収してから、その弱体ぶりに一気に拍車がかかった。今季リーグ戦第8節(4月15日・対ヴィッセル神戸)では、ホームで1995年以来となる5失点の惨敗。15位に転落する有様だ。
鹿島の小泉文明社長は、メルカリの会長でもある。ミクシィやDeNAの株式上場を実現した功績で一気に時代の寵児となったが、鹿島の社長になってからは、サッカーファンの評判が急降下。クラブの成績低迷については具体的な改善策を示さず、試合後に自身のツイッターで「申し訳ない」と配信するばかり。チーム強化より「いかに稼ぐか」に心血を注ぐ日々のようだ。
コーチやテクニカルディレクターとしてチーム強化を支えきたジーコとはコミュケーションが上手くいかず、ジーコは「もう鹿島から離れる」と激怒。慌てたクラブ側が「アドバイザー」という名誉職のオファーを出す形で、なんとか引き留めている。
そんな鹿島には、水面下で「クラブ売却」の噂が絶えない。多くのJリーグ関係者が「耳にしている」と話すのだ。
メルカリは16億円で鹿島を購入しているが、Jクラブの売値は少なくとも40~50億円が相場。元日本代表監督の岡田武史氏などは「あまりに不可解な値段」と首をひねっていた。しかし今、その売値については「50億円」との情報が。「16億円で買っておいて、なぜそんな金額が出てくるのか」と、ファンのみならず、サッカー関係者の間でも、鹿島に対する不信感は募っている。
(小田龍司)