スープとカレーの専門店「スープストック東京」が4月25日から、生後9カ月以降の乳児向け離乳食の無料提供を始めた。SNSでは歓迎ムードの一方で、常連客を自称する女性ユーザーからは「これまでの常連客を軽視」「スープストックは女の吉野家、子供は来るな」などの批判コメントが寄せられているのだ。
心ないコメントを書き込む人達に対し、実業家のひろゆき氏は「独り身で心の狭いやつらが文句を言っている」。千原せいじも「友達がおらんとか、そういう人が多いんかな」と、それぞれが出演する番組で見解を述べたところ、さらに大炎上。離乳食サービスが始まった25日には「冷やかしの男性客も来店しているの不快」「子供嫌い」「タダの離乳食目当てで早速来店」など子連れ客、男性客への不快感をあらわにする女性からのSNS投稿が相次いだ。
スープストックは食物アレルギーやベジタリアンに配慮している外食チェーン店で、「グルテンフリー」や「小麦、お米、大豆、卵フリー」「野菜のみ」のスープが提供されている。
小麦と米のアレルギーを持った子供を育てている主婦によれば「子供を連れて唯一来店できる外食チェーン」なのだという。
小麦と米が食べられない子供がいったい何を食べているのか、不躾に聞いたことがあるが、
「持参の粟(アワ)に野菜スープをかけて食べている。子供にとっては外で家族と同じ食事ができる唯一のお楽しみ」なのだそうだ。
俳優のディーン・フジオカもグルテンアレルギーを公表しているが、子連れ客や男性客に文句を言うおひとり様は「おディーン様」がスープストックに来店しても文句を言うのだろうか。
食物アレルギーは、その食材を食べられない人にとっては命をかけた大問題。それをレベル違いの幼稚な好き嫌いだけで排他的な暴論を吐くから、おひとり様はいつまで経ってもひとりぼっち。居場所がないのだ。
筆者も同店のスタンプカードがありし時代に、年に2枚はスタンプをためていた利用者のひとりだが、店内でトラブルを起こさないのであれば、男性客や子供連れが増えるのは大歓迎。高級フレンチでもないのに、1杯1000円のスープで常連を気取って文句を言うおひとり様こそ、来店お断りだ。
(那須優子/医療ジャーナリスト)