河野太郎消費者担当相が「コオロギ食推し」を否定した。4月29日のツイートで、次のよう主張したのだ。
「以前にもツイートしましたが、私も政府もコオロギ食の推進などしておりません。すべて悪意のあるフェイクニュースです」
以前、乾燥コオロギのミックスナッツあえを試食して「美味しかった」と感想をもらしたことで「コオロギ太郎」と揶揄する言葉がトレンド入りしたことがあるため、打ち消しに躍起となったのである。
河野氏は3月30日の衆院消費者問題特別委員会でも、
「陰謀論者がSNSでコオロギの話を随分拡散しているようで、かなりデッチ上げの投稿が多数見られている。私もそれに巻き込まれて随分、迷惑をしている」
と語っている。
ただ、河野氏はツイートで、次のようにも言っている。
「コオロギを将来、タンパク質として利用しようと頑張っている日本のスタートアップ企業があります。悪意のあるフェイクを広めることが、そうした努力に与えている影響も考えてください」
否定しているのか推進しているのかわからないような河野氏の態度が、誤解を生む原因となっているようだ。
河野氏はコオロギ食を市場に出すかどうかの評価基準作りには、消極的な姿勢を示している。質問者の山田勝彦氏(立憲民主党)は、
「漢方医学大辞典には、コオロギは微毒、妊婦は禁忌と記載があり、有毒であるために常用してのむものではないとされている。安全性への懸念があるにもかかわらず、なぜコオロギなどの昆虫食に対し、日本では表示義務がないのか」
と疑問を投げかけた。河野氏は健康被害が確認されていないことを理由に、
「コオロギについて特に現行の原材料表示ルール以上の表示の義務付けを行う必要は、現時点ではない」
と述べるにとどまっている。コオロギ議論はまだ続くのか。