社会

そこまでするか昆虫食!「コオロギパン」大炎上でわかった「粉末にして混ぜればわからない」不気味な実態

 ネット上の都市伝説に「検索してはいけない言葉」というのがある。最初に書いておくと、この記事を読んだからといって「コオロギ食」を検索してはいけない。記者自身のパソコンがゴキブリともコオロギとも区別のつかぬ「春の黒い虫祭り」でエライことになっているからだ。

 杉咲花や深津絵里のCMでお馴染み「パスコ」ブランドで知られる敷島製パンが大炎上中だ。きっかけはあのお騒がせ大臣、河野太郎の「ゴリ推し」だった。河野氏が昨年2月19日に徳島県を訪れた際に「コオロギのミックスナッツ和え」を美味しそうに食ベるニュース映像や記事が出た。それがちょうど1年後に拡散され、公式サイトで食用コオロギの粉末を入れたクロワッサンやフィナンシェ、バウムクーヘンのネット販売を扱う敷島製パンにまで飛び火したのだ。

 敷島製パンがコオロギ食を手がけたのは、2020年12月。なぜ今になって大炎上したのかは不明だ。突然、ネット上にコオロギの幼虫や成虫が蠢く動画がアップされ始めたことには、何かしらの政治的意図や胡散臭さがつきまとう。敷島製パンは誰かが意図した風評被害に巻き込まれた感があるが、さりとてパン屋の公式サイトにわざわざコオロギのイラストを載せ、自ら燃料投下することはないだろう。

 筆者のように深く考えず「パスコ」「コオロギ」を検索してしまった主婦がパソコンやスマホの画面を前に阿鼻叫喚、フリーズしている姿は容易に想像がつく。小麦の味わいにこだわりながらも、コストパフォーマンスがよく消費者の絶対的信頼を得ていた「パスコ」のブランドを一瞬で崩壊させるに足る破壊力だ。

 同社はコオロギ食と製パンは別の工場で行っていると説明しているが、ここ数日、スーパーに行くと値引きシールが貼られたパスコ製品が並んでいる。炎上騒動を知らない消費者のお財布には有難い「春の椿事」だ。

 コオロギ食がここまで嫌われるのは、見た目と安全性、胡散臭さだろう。

 筆者は甘辛く味付けされたイナゴを食べる。東南アジアに医療ボランティアに行っている医師や歯科医からは「現地人から最大級の感謝を込めて振る舞われるご馳走のタガメは、フルーティーで美味しい」と教えてもらった。イナゴやタガメに抵抗がないのは、日本人や東南アジアの人たちが見慣れた「水田にいる虫」であり、虫を食べることに同意している者のみが食すからだ。我々が毎日食べる米はイナゴにとっても美味しいだろうし、人間と同じものを食べているというトレーサビリティーと安心感がある。

 ところがコオロギは雑食で、食用コオロギが何を食べているか、消費者にはわからない。狂牛病やクロイツフェルトヤコブ病を引き起こすプリオンのように、加熱調理では死滅しない未知の病原体を持っていたり、アレルギーを引き起こす可能性もあるだろう。

 過去、食品メーカーが巻き込まれたゴキブリ混入騒動を考えれば、コオロギもゴキブリも粉末にして混ぜればわからない、という消費者の不安と怒りが爆発するのは当然だ。

 最大の疑問は、飢餓に苦しむ発展途上国でもない日本で今、そこまでしてコオロギを食べる必要がどこにあるのかということだ。「将来の食糧難」に備えるための昆虫食なら、徳川軍や真田軍ら戦国武将が食した伝統食イナゴや蜂の子がある。

 ところがネット上でコオロギ食を推しているのは、つい先日まで水田を潰し野山を削って「メガソーラー発電」を推していた連中やネトウヨ御一行様、自民党議員団だ。日本には独自の昆虫食文化があるのに「コオロギだけ」をゴリ推しするのは矛盾に満ちていて、実に胡散臭い。

 水田、果樹林や畑を潰し、日本の里山を破壊してソーラーパネルを設置しておいて、愚民はコオロギかゴキブリか得体のしれない虫を食べろ、とは本末転倒。田畑を再興し、水田とともに生きるイナゴやカルガモを食べる日本の伝統農業に戻ることこそが、持続可能なSDGsではないか。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

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