4月30日、新装グランドオープンの京都競馬場で行われた春の天皇賞(芝3200メートル)は、圧倒的な1番人気に推された昨年の覇者タイトルホルダーが、2周目の4コーナーで競走を中止するという異例の事態となった。
JRA(日本中央競馬会)は競走中止の理由を「右前肢跛行」と公表したが、レース中になぜ右前肢跛行を発症したのかについては、明らかにされていない。
実はアンカツの愛称で知られる元JRA騎手の安藤勝己氏がこの点について、自身のツイッターで気になる見解を公にしている。
「解説でも言わせてもらったけど、タイトルホルダーはいつも以上のピッチ走法で硬い返し馬に見えたし、(鞍上の横山)和生のほぐしが入念すぎた」
こう指摘した上で、次のように指摘したのだった。
「平場(のレース)だったら(陣営やJRAが)除外させてたかもしれん」
その一方で、若き横山和生騎手の「その時」の心の内を、次のように慮ってもいる。
「G1で1倍台の人気を背負っとって、複雑な心境でスタートさせたんやないかな。最後の直線手前で追わずに止めたことを好判断と思いたい」
安藤氏と親しい競馬関係者は、次のように感想を述べている。
「アンカツの指摘は、いずれも正鵠を射たものだ。中でも『平場だったら除外させてたかもしれん』のくだりは、元ジョッキーならではの鋭いツッコミだったと言っていい。裏を返せば『G1だから除外できなかった』という話になるわけですからね」
ただし外見上、競走除外になるほどの理由が確認されなかったのも事実だろう。いずれにせよ、タイトルホルダーが無事だったことは不幸中の幸いと言える。