5月14日、同率首位で並んでいたDeNA戦(甲子園)を佐藤輝明の2本塁打、7打点などの活躍により、15-7で叩いた阪神。4連勝で貯金を今季最多の7とし、単独首位に浮上した。
この日、佐藤の陰に隠れる形になったものの、地味に活躍したのが梅野隆太郎だった。2回に右前打を放つと、4回にはビッグイニングの起点となる中前打で、今季初のマルチ安打をマークした。スポーツライターが語る。
「開幕前、梅野は岡田彰布監督から直々に正捕手の指名を受けながら、攻守ともに苦しんできた。その間、もう一人の捕手たる坂本誠志郎が先発マスクをかぶった試合は高い勝率を誇り、虎党の間では実績のある梅野と調子のいい坂本のどちらを多く起用すべきか、『正捕手論争』が巻き起こっているんです」
そんな中、ようやく梅野が不振脱出の兆しを見せたわけだが、これで今後、梅野に一本化すべきかどうか。
阪神OBの福留孝介氏は5月16日放送の「おはよう朝日です」に出演した際、「2枚看板で行くのが吉」として、梅野は投手のいいところを引き出して引っ張っていく「兄貴タイプ」、坂本は相手打者の嫌がる球種やコースを考える「策士タイプ」であると分析。
「どっちもいなければ、成り立たない。2人やっているから今、いい状態で流れている」
キャラの違う2人の併用を勧めたのだが、梅野の打撃復活が相手チームのさらなる脅威になることは間違いない。
(鈴木十朗)