「F1(エフ・ワン)」とは、「車輪とドライバーが剥き出しになっている」というフォーミュラなる規格に沿ったレーシングカーの一種で、「フォーミュラ1」の略称。では突然だが、この「F1」など、一般的に「速い」とされている車は、なぜ速く走れるのか、理由をご存知だろうか? そして、これを、プロ野球の盗塁に絡めて解説する人がいた。
獲得した盗塁王は3回、プロ通算盗塁数「477」は、歴代5位の足のスペシャリストでもあった主に広島東洋カープで活躍した高橋慶彦氏がその人。高橋氏のYouTubeチャンネル〈よしひこチャンネル〉の、2月15日付け〈【世界の盗塁王】福本豊さんの今じゃ考えられないヤバすぎる逸話!【プロ野球OB】【盗塁王】〉とタイトルした投稿回でのことだ。
話を「F1がなぜ速いか」に戻すと、「エンジンの大きさ」「タイヤの精度」「車体の軽さや低さ」などは、その理由として世間の人たちがパッと思い浮かぶことだが、高橋氏いわく「止まれるからよ」。つまり、ブレーキの精度が高いこと…制止できる仕組みになっているからこそ、レーシングカーは時速300キロ出していてもコーナーに突っ込める。野球に言い換えれば、足を即座に止め、戻れる技術があるからこそ速く走ることができるのだということを高橋氏は解説したのだ。
そもそも、「F1」の話に移行した発端は、1塁に出た際、盗塁のスキをうかがう高橋氏のリードのとんでもない大きさだった。西武球場で行われた、ある年の日本シリーズでファーストを守っていた西武の清原和博氏が「エッ!?」と驚きを表していたそうだ。
「1塁に戻る自信がある」イコール「大きなリード」につながっていたようで、「2塁に速く走る」ことよりも、「いかに1塁に戻るか」の重要性を「F1」に例えて説いた高橋氏。なんとも玄人好みの深い話ではないだろうか。
(ユーチューブライター・所ひで)