往年のサッカーファンは今の日本代表を見て、さぞ感慨深いことだろう。
5月25日、日本サッカー協会は6月15日と20日に行われる「キリンチャレンジカップ2023」の日本代表メンバーを発表した。26人のメンバーのうち、Jリーグに所属している選手はわずかに4人。残りは全て、欧州組だ。
Jリーグ組はゴールキーパーの大迫敬介(広島)、DF森下龍矢(名古屋)、MF/FWの川村拓夢(広島)、川崎颯太(京都)。大迫以外はみな、初めての選出である。サッカーライターが言う。
「キリンチャレンジカップ2023は親善試合で、シビアな結果を求められるものではありません。若手を思い切って起用できるので、3人が初選出されたわけです。W杯予選など結果が求められる試合であれば、選ばれなかったかもしれない。実質、Jリーグ組は大迫敬介の1人だけということになります」
日本が初めてW杯に出場した98年フランス大会の代表は、22名全てがJリーグ所属。02年の日韓W杯での海外組は中田英寿(パルマ)や小野伸二(フェイエノールト)ら4人だった。06年のドイツ大会は中村俊輔(セルティック)、高原直泰(ハンブルガーSV)ら6人に増えた。
「欧州組が増えるにつれて、日本代表をより強くするにはさらにヨーロッパのリーグでプレーする選手を増やすべき、との声が強くなりました。Jリーグのチームが移籍に協力的だったこともあり、ここまで増えました。ロシア大会、カタール大会と2大会続けてグループリーグ突破を成し遂げたのも、欧州組が増えたことと無関係ではありません」(前出・サッカーライター)
カタールW杯終了後、韓国で「日本より欧州組が少なく、強化のためにはヨーロッパでプレーする選手を増やす必要がある」と話題になったのは記憶に新しい。
26年のワールドカップでは、代表メンバーが全て欧州組になっているかもしれない。その時、ベスト8の夢が叶うことになるはずだ。