【1人で1000球を投げ抜いた高校生に賛否】
全国高校軟式野球選手権大会の準決勝で対決した中京高校と崇徳高校。ともに決定打に欠き、なんと3日間の延長で50回に及ぶ戦いとなった。さらに勝利した中京高校は日程の都合もあって、準決勝の勝利後わずか2時間半後に決勝戦に出場し、みごと優勝を果たした。中京のエースは7日間で1000球を投げたことになり、そのピッチングセンスと体力を絶賛される一方で、故障の不安も指摘されている。
このニュースを聞いた瞬間「スゴイ、よくやった!」と思っちゃうよなあ。打ちも打ったり、投げも投げたりだよ。負けたほうも大したもんだよ。
こういうことは高校生じゃないとできない。確かに「美談」として語りたくなるけど、彼らの選手としての将来を考えると、もっと早めに決着をつけられる制度が必要だとも思う。
そこで、高野連が甲子園で導入を検討している「タイブレーク制」。国体や神宮大会では、すでに導入されていて、延長10回以降は1アウト満塁の状態から始まる。早めに決着をつけさせるには、最適のシステムだね。
高校野球ファンは感動が減るという観点から反対が多数らしいけど、選手にとっても意外としんどいものがあるよね。サッカーのPK戦も残酷な結末を迎えることがあるでしょう。「あの時、あの選手が決めていれば‥‥」なんて、ずっと言われ続けるわけでね。
このタイブレークだって、投手が投げた一球で残りの半生をクソミソに言われてしまうかもしれない。満塁なのに走者を返せなかった打者だって、責められるかもしれない。
やはり、自動的に満塁になるのは、自分に責任がないだけに高校生には過酷すぎやしないかい? 投手に「たとえ故障しても燃え尽きたい」という気持ちがあるのなら、起用してもいいんじゃないの。ただ、監督がそれを強制するのはダメ。大人がちゃんと見て、ゴーサインの判断をしないと。大人が大人としてしっかりふるまわなきゃいけないのは、高校野球も政治も同じだ!
◆プロフィール みのもんた 1979年に文化放送を退社後、フリーアナとなる。以後、数々の番組で司会、キャスターを務める。1週間で最も生番組に出演する司会者のギネス記録保持者でもある。