テリー 失踪しちゃったんだ?
木本 そうです。それでいろいろ探したら結局、地元に帰ってることがわかって。でも、その時もまだ騙されてるとは思ってなくて、何かトラブルがあったんだろうと思ってたんですよ。
テリー それで会って話したら、彼は何て言ったの?
木本 「お金どうしたんや」って聞いたら「すみません」と。「最初はちゃんとトレードしてたんですけど、1回すごい大負けしてマイナスになって怖くなったんで、一旦トレードはやめて、途中から自転車操業になってました」って告白されたんですね。僕らだけじゃなく、その彼自身もいろんな人からお金集めてたみたいで、しかもその人らは毎月利益を払うっていう契約をしてたみたいで。要するに僕らとか他の人から集めた金でその利益を払ってたんですよ。
テリー なるほど。それは自転車操業だ。そんなのすぐ資金が底をついちゃうね。
木本 そうですね。しかも20%ぐらいの高配当をうたってお金を集めてたみたいなんです。そいつの銀行口座を全部見たんですけど、数百円とか数千円しか残ってなかったですね。もちろん、隠し口座とかあったかもしれないんですけど。
テリー でも、誰しも一度ぐらいは失敗するわけでさ。天才トレーダーなら、1万円からでもまた増やせばいいのにね。ということは、彼は天才じゃなかったんだ。
木本 そうですね。その時に「これからどうやってお金返すねん」って聞いたら、「もう1回トレードで頑張らせてください」って言うから、一緒にお金を預けてた人の協力もあって、また東京に戻って、もう1回トレードを始めるんですけど、最終的にそこからも逃げることになるんですよ。
テリー あらら。
木本 みんな真面目にやるなら返済は待つって言ってくれてたし、僕も5年かかっても10年かかってもいいと思ってたんですけど。
テリー 彼がもう1回トレードを始めて、また逃げるまでにどのぐらい?
木本 1年ぐらいです。
テリー その時はまだマスコミにこの話は出てないんでしょう。
木本 はい。
テリー その間の気持ちはどうだったの? だって普通に芸人としてバラエティーにも出てるよね。
木本 それはもう怖かったです。どこからどう漏れて発覚するかわからないので。とにかくそうならないように、みんなは「待つよ」って言ってくれてましたけど、自分のお金や資産から少しずつでも先に戻さないと心が落ち着かないと思ってましたね。
テリー その時点でいくら残ってたの?
木本 1億1000万です。ただ、1人の投資家の方がそのうち1億円を出してたので、実質は1000万だったんですけど。
テリー あ、そう。そのぐらいなら返せるじゃない。
木本 そのFXの件だけならそうだったんですけど、実は僕、その後にBという男にも騙されるんですよ。10年来の友人なんですけど、不動産詐欺に遭ってしまって。
テリー ええっ!?
木本 僕が預けたのは1000万だったんですけど、その時もやっぱり「俺もやる」っていう人が集まってきて、結局、Bのところに5億ぐらい集まったんですよ。で、Bもいなくなったんです。
テリー うわぁ。そのAとかBは、今も連絡がつかないの?
木本 それが、この件が報道されてから事態の深刻さに気づいたのか、2人とも連絡が来て、弁護士同士の話し合いが進んでるところなんですね。それで今、Aからの返済は始まってますし、Bの方も返済方法の折衝をやってるところです。