「だってブルペンピッチャーばっかりやもんな、点入れてんのは。ブルペン陣も勝ちパターンでそんないいピッチャーは7回には行けないとかな。だから何か起きるんじゃないかなぁ」
こう余裕の表情で語ったのは、交流戦前の巨人戦(5月26日~28日=甲子園)で3連勝した、阪神の岡田彰布監督である。
一方の巨人は2018年以来5年ぶりの甲子園3連戦3連敗を喫し、再び借金生活に入ったわけだが、岡田監督の言う通り、この3連戦は揃いも揃って7回に失点するという、同じパターンを繰り返した。スポーツ紙デスクが語る。
「26日はオリックスから加入したばかりの鈴木康平と高梨雄平で2失点。27日は、それまでゼロに抑えていた先発のグリフィンが先制点を許したのち、それを継いだ大江竜聖が2失点。28日は高梨が一死満塁のピンチを招き、スイッチした三上朋也が打ち込まれて3失点した。28日の4回に与えた1点を除けば先発陣はゼロに抑えており、ゲームを作っていた。まさに中継ぎが崩れる『魔の7回』となってしまいました」
打線は3試合でたった4得点と、阪神投手陣に抑え込まれた敗戦との見方もできるが、巨人はついこの前まで「魔の8回」に襲われていた。前出・スポーツ紙デスクの解説を聞こう。
「一人一人が弱い中継ぎ陣をなんとかしようと、小刻みに繋ぐ『マシンガン継投』で凌ごうとしているようですが、人数を多く使えば、それだけ不調の投手もマウンドに上がることになる。若手の先発投手が多い中、打者3巡目にあたる7回が変わり目のポイントになるだけに、不調の中継ぎがマウンドに上がれば、そこで失点しやすくなるのは当然の話。ただ、その投手を8回に回せば『魔の8回』を生みやすくなる。結局は同じことです」
絶対的なセットアッパーが現れない以上、「魔の7回」と「魔の8回」を行ったり来たりしそうだ。