同様にトッププロスペクトの評価を受ける選手がもう1人。“令和の怪物”ことロッテの佐々木朗希(21)である。
「こちらも登板日に4~5人のスカウトがいるのが常。5月28日のソフトバンク戦にも、バックネット裏にパドレスでアドバイザーを務める野茂英雄氏(54)の姿がありました。160キロを超えるストレートと150キロのフォークを投げる姿にサイ・ヤング賞を2度受賞したレンジャーズのデグロム(34)を重ねて、“和製デグロム”と評されている。本家の持ち球はフォークではなく高速スライダーですが、佐々木と同じ球速帯ですからね。『ポテンシャルは佐々木が上』と推す声も絶えません」(遊軍記者)
当然ながら、金額面の評価もうなぎ登りで、
「10年規模の超大型契約が期待できます。金額にすると1億8000万ドルクラスでしょうか。現状、スタミナやメディカルに不安はありますが、メジャー経験のある吉井理人監督(58)の育成プランで改善傾向にある。契約金の制限が取っ払われる25歳が待ち遠しいですよ」(友成氏)
貴重な左投手としてDeNAの今永昇太(29)もスカウティングリストに名を連ねる。
「150キロ台のストレート、カットボール、チェンジアップのコンビネーションがメジャーで通用するのはWBCで証明済み。慣れないメジャー球を苦にせず、決勝でアメリカ打線を抑えていましたからね。一発を浴びた今永本人は『アピールできたとは思ってない』と謙遜していますが、宮崎合宿で『掘り出し物』と評された実力は全米に知れ渡ることになりました」(スポーツ紙デスク)
昨オフには大手代理人事務所と契約。今オフにもポスティングによる移籍が濃厚だ。
「DeNAはビジネスライクな球団です。譲渡金が欲しいため、ポスティングを拒否する向きは微塵もない。現状、メジャーで先発の4~5番手候補として引く手あまた。マリナーズやパドレスが2年1500万ドルクラスで獲得を検討しているといいます」(遊軍記者)
4月に海外FA権を取得したのは楽天の松井裕樹(27)。今季、史上最年少で200セーブを達成したものの、こちらの評価は芳しくない。
「国際試合で大崩れする印象が強い。WBCでもメジャー仕様の公式球の扱いに四苦八苦していましたよね。2年350万ドルぐらいの契約は結べるかもしれませんが、アジャストできずにリリースされる可能性も否定できない。カネを求めずに日本でセーブ記録を積み上げるほうが英断かもしれません」(友成氏)
どうもアメリカンドリームを夢見るには力不足のようだ。昨オフに今オフのメジャー挑戦を直訴した日本ハムの上沢直之(29)には、メジャーから“敗走”した先輩右腕の姿がダブる。
「ストレートの平均は140キロ中盤、変化球の球種が多い割にウイニングショットに乏しい。その器用貧乏ぶりは、20年にレンジャーズに移籍しながらわずか3勝しか挙げられなかったソフトバンクの有原航平(30)に似ている。21年に肩にメスを入れたとはいえ、AAAでも通用するか怪しかった。同じ道をたどらないか心配です」(友成氏)
一方で、今季リリーフから先発に転向した西武の平良海馬(23)には賛否両論が入り乱れている。
「先発転向を強硬に主張したのは、“吸血鬼”と称される悪名高き代理人のスコット・ボラスの入れ知恵ですよ。リリーフよりも先発のほうが高く売れますから。ただし、先発として山本クラスの成績を残せなければ大金には化けません。セットアッパーなら3年2000万ドルの契約を期待できましたが、果たして先発でそれ以上の評価を得られるか、不透明さがつきまとう。いずれにしても3年は西武でエース格の成績を残す必要があるでしょう」(遊軍記者)
その選択は吉と出るか凶と出るか。さぁ、賽は投げられた。