以前から中日ファンの間で論議を呼んでいるのが、本拠地バンテリンドームのホームランテラス導入問題。
昨季、セ・リーグ最下位に終わった中日の課題は得点力不足とされ、チーム本塁打数もリーグ最低の62本だった。立浪和義監督は昨年9月、ホームランテラス導入についての質問に「ぜひそうしていただきたいなと思います」と返答。OBや関係者にも賛同者は多いようだが、これまで具体的な動きはない。
中日は今季の本塁打数もリーグでダントツ最下位となっているが、先ごろ「サンデースポーツ」(NHK)に出演した落合博満氏は、視聴者の質問に答えるコーナーでホームランテラスについて聞かれると、
「オレ的には作らない方がいいと思います」
とキッパリ。その理由を、中日の本塁打数が増える代わりに相手も増えるのでリスクが大きいとした。さらに、中日でホームランを打てるバッターを育てるか、外国人を連れて来たほうが手っ取り早いと提言している。
一方、野球評論家の高木豊氏は自身のYouTubeチャンネルでホームランテラス設置問題について言及した際、基本的には「賛成」の立場を取っている。
高木氏はそこで落合氏の意見について触れ、
「育てたほうが早いというか、そんな選手いないもん。あんなところでホームランを打とうとすると体バラバラになっちゃうよ」
として、外国人にしても、現在メジャーでは本塁打で試合が決まる確率が高くホームランバッターは重宝されるため、日本に来るような選手はもう残っていないと指摘。
「ホームランって野球の華だし、ドラマが生まれるのはホームランが圧倒的に多い。俺はテラスを作ったほうがいいと思う」
と語り、ホームランテラス無しでいくのであれば、打率2割8分で本塁打10本程度、その代わりに20盗塁する選手を揃えたチームを目指すべきとしていた。
最終的にはフロントの考え方次第だが、中日の低迷が続いている間は議論は収まらないだろう。
(鈴木十朗)