日本ハム・新庄剛志監督の意表を突く采配は是か非か。球界でも賛否が分かれるところだが、これを徹底的にコキ下ろした野球評論家が、宮本慎也氏である。6月14日「日刊スポーツ」での、宮本氏による論評は衝撃的だった。
宮本氏が問題視したのは、前日のDeNA戦。初回に早々と「3番・二塁、加藤豪将」と「9番一塁、郡拓也」の守備位置を入れ換えた采配に、
〈冷めてしまった。自軍の選手に必要以上の負担をかける必要はない〉
と猛批判を展開したのである。新庄監督は、
「郡君の方が足が動くし、シートノックを見て入れ替えようと思った」
そう意図を説明したのだが、郡は今季、一度も二塁を守ったことがない。
「セオリーから外れる新庄采配に、宮本氏は我慢ならなかったのでしょう」
と話すのは、スポーツライターだ。なにしろ宮本氏は理論派で、コツコツとオーソドックスに王道を攻めるタイプ。対する新庄監督は派手好きで、奇策を好む。
「考え方が水と油で、交わることはありませんからね」(前出・スポーツライター)
宮本氏は新庄監督が就任以来、一度も同じオーダーを組んでいないことにも言及すると、
〈同じ投手や似たタイプの投手を相手にする場合もあり、「一度も同じオーダーがない」というのは不自然だと思っていた〉
どこまでも新庄野球に否定的な宮本氏は、その上で理路整然と持論を展開した。
〈少しでも勝てる確率を上げるための戦術なら、それなりの根拠も必要。その地道な積み重ねが、チームを強くするのだと思う〉
宮本氏は頑固な性分で、現役時代にはチームメイトの青木宣親と衝突。
「試合途中にミスをした青木の態度に腹を立てて怒声を浴びせ、口論となったことから、不仲が決定的となりました。2010年12月に行われた青木と大竹佐知アナの結婚披露宴に招待されながら、欠席。どちらも熱血漢でリーダーシップがあるため、意見の食い違いが生じたのでしょう」(前出・スポーツライター)
野球道発展のために、厳しい意見を投げかける宮本氏。新庄野球はそれでも独自路線をいくのか──。