父の日のプレゼントに、なんと「卵」を贈るって!? いや、冗談ではなく、そんな人が増えているというのだ。東京暮らしのフードアナリストが、離れて暮らす実家の父に「何が欲しいか」と聞いたところ、その答えは「卵」。ハッとしたのだという。
「卵がまるで、高価な果物のような存在になっています。メロンやさくらんぼを送ってほしい、ではなく卵です。電話するなり『お前はフードアナリストなんだろう。だったら、おいしい卵を用意できるんじゃないのか』と。どうやら卵が高騰して、いつも通りの値段じゃないとスーパーで買う気にならないのだそうです」
確かに卵の価格は高騰している。その理由は、昨年秋に発生した鳥インフルエンザの影響だった…はずだ。採卵鶏の1割強が減ったことで生産量が減少したことによるものだが、依然として卵の価格は高いままなのだ。
「高いなら高いで、本当においしい卵を食べたいと、地方の養鶏場から安全が保証された卵を取り寄せる家庭も増えました。スーパーで高い卵を買うなら、それよりも若干高いけれど、いい卵が欲しい。そんな気持ちになるのは納得です」(前出・フードアナリスト)
卵はタンパク質や脂質のほか、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB群、レシチンなどが豊富な完全栄養食だ。フードアナリストが続ける。
「卵かけごはん食べ放題のお店などもありますが、今では行列ができるほど。ホテルのレストランなどでも卵食べ放題キャンペーンをやったり、地方の道の駅でも、卵は売れ筋商品です」
なるほど、今のご時世、父の日のプレゼントには適任かもしれない。