広島カープのエースとして通算213勝をマークした北別府学氏が、65歳で亡くなった。
鹿児島県出身の北別府氏は、宮崎県立都城農業高校から1975年ドラフト1位で広島に入団。10勝以上を13回、シーズンMVP1回、沢村賞2回など、輝かしい成績を残して1994年に現役を引退。2001年から2004年まで広島の投手コーチとして指導した後、広島ローカルのプロ野球解説者、評論家として活躍していた。
2020年に成人T細胞白血病を公表し、以降は闘病生活が続いた。回復に向かった時期もあったが、アマチュア野球指導などはリモートが中心で、再び現場に復帰することはかなわなかった。球団OBが言う。
「超がつく個性派投手。自分の信念を絶対に曲げることはなく、孤高のエースだった印象が強い。引退後は気さくな解説者として親しまれていた。ユニホームを脱いだ前後で、キャラクターがここまで変わる人も珍しい」
ただ、周囲が期待していた「犬猿の仲」との共演はかなわなかった。
「同世代であり、広島で一時代を築いた高橋慶彦氏とのYouTubeチャンネルでの共演です。現役時代はバチバチの関係でケンカばかりしており、激しく張り合っていた。高橋氏は何度も共演を熱望していたといいますが、闘病生活が長く続き、実現せず。もし実現していれば歴史的和解として、カープファンは大いに沸いたことでしょう」(スポーツ紙デスク)
合掌──。