「久留米記念」◎脇本雄太/○新田祐大/▲北津留翼/△吉田拓矢/新山響平/小倉竜二/東口善朋/成田和也/鈴木裕/長島大介/中西大/伊藤颯馬
稀代のスピードレーサーでも、仕掛けが遅くなれば惜敗することがある。「久留米記念」(6月24日【土】~27日【火】)は、東西のスピードスターがマッチアップする激戦になるだろう。中心になるSS班2人に挑むのは、地元のまくりのスペシャリスト。波乱の決着もありそうだ。
本命に推す脇本雄太が久留米に登場するのは、21年10月の代替・熊本記念以来になる。その時は初日特選4着のあと、腰痛で2日目から欠場した。今回はその雪辱戦になるだけに、期するものがあるはずだ。ラインは脇本ー東口善朋の近畿2車。いつものように後方に置かれるだろうが、早めに仕掛けて突き抜ける。
対抗は新田祐大。東北勢は新山響平ー新田ー成田和也で結束は固い。逃げる新山の番手から脇本より先に踏み込んで逆転がある。あとは昨年の覇者・北津留翼と、21年に優勝した吉田拓矢の一発を警戒したい。
その北津留が九州のまとめ役になる。選手インタビューでいつも笑顔を絶やさない好漢で、昨年は九州4車の3番手から差し切り勝ちを演じたが、本来の持ち味は強烈まくり。スピードが乗れば脇本でも簡単にはかわせない。連覇も十分ある。
有力候補には入らなかったが、小原大樹(神奈川・95期)は3月玉野記念で優勝している。同県の快速レーサー、北井佑季(119期)とともに勝ち上がるようなら、軽視はできない。
【大穴この1車】
橋本強(愛媛・89期)。
グレード戦と言ってもいいFII富山全プロ記念(〈2〉〈4〉)の初戦4万円超まで、5場所すべてグレード戦を走り、車券に絡んだ9戦で8度も万車券を演出している。GI2戦で3本。記念は4月武雄(〈3〉〈2〉〈2〉〈7〉)が1万円超2本と準決勝の10万円オーバーまで3連発の大爆発。3月松山(〈1〉〈1〉落)でも2次予選で1万円超を出している。目立たないが直線は伸びる。本命サイドから筋違いの2、3着でも高配当になる。
【狙い目の伏兵3人】
ホームバンクで気合いが入る津村洸次郎(福岡・101期)は、前走の小倉(〈1〉〈4〉〈1〉)から2週間、みっちり乗り込んでくる。初日は1着で狙いたい。
7月に1班に返り咲く河端朋之(岡山・95期)が、劣勢の中四国勢の先頭で戦う。主導権を握れば、そのまま押し切りがある。
横関裕樹(岐阜・99期)は、前走の弥彦(〈1〉〈1〉〈2〉)の動きが光った。1次予選を突破して、勢いに乗りたいところだ。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。