毎日新聞が6月17日、18の両日に実施した世論調査で、無党派層に絞った内閣支持率を算出したところ、全体の33%からさらに下落し、11%だった。
今から30年以上前、消費税導入やリクルート事件の影響で、竹下登内閣の支持率が5%前後と消費税並み(当時は3%)にまで落ち込んだことがあり、竹下内閣は総辞職に追い込まれた。現在は消費税率が10%であることから、岸田内閣の無党派への支持率は、これまた消費税同様に低迷していることになる。
毎日新聞によると、無党派層に限った内閣支持率は、5月の前回調査より15ポイント下落した。全体でも12ポイント下落しているが、さらに下げ幅は大きい。内閣支持率は5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で上昇したものの、「サミット効果」はすっかりなくなった格好だ。
次期衆院選での比例代表の投票先を聞いたところ、無党派層で圧倒的に多かったのは「わからない」の60%で、回答者全体(17%)の3倍以上に達した。
岸田総理は通常国会の会期末で、立憲民主党などが内閣不信任案を提出すれば、衆院の解散・総選挙に踏み切る構えを示したものの、結局は見送った。秘書官だった息子の翔太郎氏が昨年末、親族を首相公邸に招いてどんちゃん騒ぎをした際の写真が大問題となり、辞任に追い込まれたほか、マイナンバーカードの保険証利用をめぐっては、杜撰な管理によるトラブルが連発。さらには連立を組む公明党との選挙協力がぎくしゃくしていることもあり、解散は断念した。
自民党内からは、こんな声が出ている。
「自分から解散権の行使を匂わせておいて止めるとは、前代未聞だ。求心力は低下するだろう」(閣僚経験者)
無党派層が選挙に与える影響力は大きく、今回のような数字が続けば「岸田総理では選挙を戦えない」との声が自民党内から出てくることが予想されるのだ。