セ・リーグ首位ながら、2位DeNAに2・5ゲーム差と詰められ、交流戦後のペナントレース再開でいきなり直接対決に突入した阪神タイガース。岡田彰布監督は心理作戦なのか、「挑発」を仕掛けていた。
6月23日の初戦前、昨シーズンから横浜スタジアムでは10連敗中と相性が悪いことについて、
「横浜ずっと負けてるとか言われるけど、知らんかった。まず横浜でひとつ勝たなアカンなとは思っているけどな。あんまり何連敗、何連敗言われるのも嫌やしなぁ」
謙虚な感じでそう言ったかと思えば、DeNAが今シーズンの本拠地試合で14勝5敗1分、勝率7割を超える好成績を残していることには、
「何かあんの?」
とひと刺し。さらには3連戦を3連勝する必要はなく、1勝2敗でいいと余裕をかましたのだった。確かにそれなら、この3連戦で首位を陥落することはないが、その言いっぷりはというと、
「明日、絶対勝つ必要もないやんか、別に。負けてもええやんか。向こうの方がもっと(勝ちたい)やん、(エース格の)今永なんやから」
交流戦Vの勢いそのままに、一気に首位を狙いたいDeNAにとっては、「ナニー!!」と言いたくなる挑発的セリフである。
いや、口撃はこれだけにとどまらない。
「イベント、あれ待ってる時間、ホンマに長いよ。ちょっと、あれで拍子抜けしてしまうよな」
DeNAがグラウンドで展開するイベントに「ダメ出し」したのだ。続けて、
「野球に関係ないイベントばっかりしとるやろ。練習終わってからでも長いなあって思っとったよ。横浜に言うとけよ!」
確かに甲子園球場では、試合前のイベントはそこまで長くなく簡素なもので、試合が始まっても奇数回の終了後のみに実施している状況だ。対照的にDeNAはというと、
「冠スポンサーがほしくて、1回から7回裏まで、とにかくイベントが盛りだくさん。最近人気があるのは、4回終了後に行われる、韓国の家電メーカーが冠協賛している『ハマスタバトル』。外野フェンス沿いをファン4人とチアリーディングチームdiana(ディアーナ)がリレー対決するもので、あまりの盛り上がりに、最近では他球場でも組み込まれるほどの盛況ぶりです」(スポーツ紙デスク)
このクレームに怒りが収まらないのは、DeNA関係者だった。
「DeNAはTBSや大洋漁業が親会社時代はとにかく観客が不入りで、概数発表でも1万人を切ったことがザラだった。毎試合4万人超の虎党が押し寄せる甲子園とはあまりに環境が違いすぎる。球団の集客努力で、今年は29試合を終えて1試合平均3万1092人と阪神、巨人に次ぐ動員につながった。敵の監督に文句を言われる筋合いはない!」
こうなったら意地でも阪神を倒して、優勝しなければならないだろう。