自民党の石原伸晃元幹事長が、次期衆院選の出馬辞退を表明したのは6月27日。
自民党関係者が言う。
「伸晃氏といえば国交相や規制改革担当相、そして自民党幹事長まで務め議員歴は10期にも及ぶ。かつて総裁選にも出馬し石原派(現森山派=近未来政治研究会)という派閥まで率いていた。しかも、まだ66歳の若さで体もぴんぴん。そんな人がこのタイミングで不出馬宣言とは違和感がありすぎますよ」
本人の会見によれば政界引退ではなく、次は25年参院選東京選挙区への鞍替えを目指すというから、関係者らが首を傾げるのも無理はない。
政治部記者が語る。
「伸晃氏が前回の総選挙で立憲民主党候補に大差で負けて以降、弱気になっているという話はよく聞こえていた。やはり父親の慎太郎元都知事あっての伸晃氏だったのかとも思えてくる。お父さんが亡くなり、さらに盟友と言われた安倍晋三元首相が急逝したのも影響しているのか」
だがその一方で、「伸晃氏は、そんなヤワではない」(自民党関係者)との声も。別の自民党関係者が言う。
「衆院選では娘を擁立するのではという声もある。さらには慎太郎さんの再来ではないが、参院選と言いながら来年の都知事選を狙っているとの話まで聞こえてきます」
では、石原氏の選挙区では今回の不出馬宣言をどう見ているのか。杉並区民の一人は、こう呟く。
「現職時代は親の七光りで上から目線気味だった。前回の総選挙で落ちたのも、そうした姿勢が響いたと思う。まずはボランティアなどで庶民目線を養えば、まだ政治家としてやり直しはきくかもしれない。今のイメージのままでは参院選も都知事選も無理でしょうね」
政界を引退していた方が正解だった、なんてことにならなければいいが。
(田村建光)