レギュラーの中堅手・近本光司を死球離脱で欠いた阪神。7月7日のヤクルト戦(甲子園)は天候不良のため早々と中止が発表されたが、これに苦笑いしたのはヤクルト側だった。
7日の甲子園付近の予報は、夕方から雨。実際に強く降ることはなかったが、阪神は球場を開門することなく中止を決めた。 岡田彰布監督は、
「普通、雨降らんかったらやるだけやん」
と素っ気ない対応。選手にとって恵みの雨天中止とも思えるが、これにも、
「休み、休みいうて、雨やから休みやんか。別に休みたくて休んだんとちゃうやん。何を言うてんのよ」
自らツッコミを入れながら、まくしたてたのだった。
一方でヤクルトの球団関係者は、
「岡田監督は内心、ニヤつきが止まらなかったと思いますよ」
と苦笑交じりに語る。その理由を続けて、
「今シーズンも雨天中止にするかどうかは連盟管轄になっていますが、どこも主催球団に必ず『お伺い』を立てます。チケットの売れ行き状況やグラウンドコンディション不良など、当該球団にしか分からないデータはたくさんありますからね。阪神は今、主力の近本光司が離脱したほか、選手の調子が悪い。それやったら試合を飛ばしたらええやん、という話でまとまったのでしょう。昔は弱い球団がよく取る戦法でしたけどね」
借金まみれのヤクルトから、貯金を持つ阪神が「敵前逃亡」する前代未聞の中止劇。両チームのファンにとっては、なんとも複雑だろう。