ニューヨークのタイムズスクエアに置かれたメガスクリーンで、6月中旬から継続的に配信される、ある映像が物議を醸している。
これはパプアニューギニア上空から落下した隕石の残骸を探査・回収する「ガリレオ・プロジェクト」の活動状況を伝えるもので、作業を行っているのはハーバード大学の天文学者アヴィ・ローブ教授を中心とした研究チームだ。
6月14日から始まった探査作業では、深海用磁気スレッド(マグネット器具)が用いられ、海に落下した500キロの隕石「インターステラー・メテオ1(IM1)」の痕跡を探すというものである。科学ジャーナリストの解説を聞こう。
「NASAの地球近傍天体研究センターによれば、今回の火球が大気圏に突入したのは2014年1月8日。その後、隕石衝突時の速度分析により、落下した火球は恒星間天体、つまり太陽系以外から飛来した『オウムアムア』なるものである可能性が極めて高い、と結論づけられました。恒星間隕石は2017年3月にも、ポルトガルの海岸から数百マイル沖合への落下が確認されている。その強度は一般的に観測される隕石の比ではないことから、天文学者の間では、エイリアンの技術によって作られた遺物ではないか、とする議論が巻き起こっています」
研究チームは7月29日まで、海底に残るIM1の痕跡を探す予定で、その後は予備サンプル分析用機器を搭載した遠征船「シルバースター号」で数カ月をかけて、海洋での引き揚げ調査活動を行う予定だという。科学ジャーナリストが続ける。
「隕石の小さな破片は、深さ1マイル(1600メートル)以上の広大な海底に散乱しているため、探査回収には困難が予想されます。もしこれを回収し、検出できれば、オウムアムアに生存する生命体に一歩近づける可能性は高い。世界の天文学者が、この探査回収活動を注視しています」
現代の天文学をもってしてもいまだ解明できない、謎多き恒星間天体の全貌が明かされる日は近いかもしれない。
(ジョン・ドゥ)