宇宙に存在する知的生命体と人類との意思疎通が可能になる時代が、ついに到来するかもしれない。米カリフォルニア大学の研究チームが、驚くべき研究結果を発表したのだ。
これまでアメリカが打ち上げ、探査機としてすでに太陽系を離れて星間空間を惰走しているとみられる探査機が発進する信号を、宇宙に存在する知的生命体がキャッチし、返信してくれた場合、2030年初頭にはそれが地球に到達する可能性があるという。天体観測業界関係者が言う。
「このニュースを伝えた4月27日付の英紙エクスプレスによれば、研究チームは72年に打ち上げられたパイオニア10号、翌73年のパイオニア11号、さらには77年に打ち上げられたボイジャー1号、2号に着目。これらの探査機は現在は通信が途絶し、太陽系を離れて銀河系内の恒星と恒星の間に広がる空間を移動中とみられています。ただ、それぞれNASAからは、ディープスペースネットワークを通じた通信が続けられている。研究チームによれば、80年と83年にボイジャー2号に送信した信号が、07年には2つの恒星に到達したのだとか。となれば、仮にこの2つの星、あるいは周囲の惑星に宇宙人が存在し、返信してくれた場合、6年以内に地球に届く可能性があるというわけです」
この研究報告の信憑性が確かなら、宇宙研究の分野にとって、あまりにも大きな一歩となることは言うまでもない。その一方で不安視されるのが、友好的ではない相手にも信号が届いてしまう、という問題だ。
「これは2018年に亡くなった天才物理学者、ホーキング博士らも提唱していたことですが、もし交信してくる宇宙人がSF映画『E.T.』に登場するような優しく紳士的なそれではなく、一撃で地球を破壊してしまう知的生命体だったらどうするのか、ということです。事実、ホーキング氏は生前、中国当局による世界最大口径の球面電波望遠鏡『天眼』の建設に対しても『宇宙人を招く恐れがある』として、何度も異議を唱えていましたからね。今回の報道も、あるいは博士が生きていたら、なんと言ったか…。賛否が分かれるところでしょうね」(前出・天体観測業界関係者)
映画「エイリアン」に出てくるような、凶暴な異星生物でないことを祈る。
(ジョン・ドゥ)