現在のメキシコ南東部、ユカタン半島、グアテマラなどを中心に、紀元前300年頃から西暦900年頃まで栄えたとされるマヤ文明。今年6月、マヤ文明のものと思われる、ジャングルに埋もれた古代都市が、ユカタン半島のバラムク生態系保護区で、メキシコ国立人類学歴史学研究所(INAH)の研究チームにより発見された。
研究チームが発見した遺跡は、15メートルを超えるピラミッドや3つの広場、複合施設、球技場など。点在する多数の円筒形の石柱にちなみ、マヤ語やユカテコ語で石柱を意味する「Ocomtun(オコムトゥン)」と名付けられた。
古代マヤ文明には恐ろしい神話や予言書が登場するが、中でも一時期、大きな話題になったのが、マヤ暦による「2012年12月22日に人類が滅亡する」とする予言だった。古代文明に詳しいジャーナリストが解説する。
「マヤ民族たちは古代から『マヤ暦』という極めて正確な暦を用いていたのですが、それによると我々が生きる現代の源は紀元前3114年8月13日に始まっており、それから約5125年後、つまり2012年12月22日以降の暦が存在しなかった。そのため、この日を最後に人類が滅亡する、という噂がまことしやかに流れたというわけです。幸いにも的中せず、幻の予言になってしまいましたが」
マヤ民族の間には「チラム・バラムの書」という有名な予言文書があり、そのうち9種類が現在もメキシコ国立人類学博物館で保存されている。
「チラム・バラムのチラムとは、神の代弁者であり予言者。バラムはジャガーの意味で、この人物は15世紀後半から16世紀前半にかけて実在しました。スペイン人の到来を予言したために、有名になったとされています」(前出・ジャーナリスト)
マヤの長期暦によると、これまで世界は4度も滅びており、現在の世界は5度目のもの。それが終焉を迎えるのが「2012年12月21日」だったようだが、
「研究者の中には、チラム・バラムはこの予言書で『ナポレオンの登場と失脚』や『第二次世界大戦勃発』『ソビエト連邦崩壊』、さらには『阪神大震災』をも的中させたと唱える者もいます。今回の遺跡発見で、新たな予言書が見つかる可能性もありますね。考古学者だけでなく、超常現象の専門家も今後の進展を注視しているようです」(前出・ジャーナリスト)
古代文明が残した神秘の予言書は見つかるのか。調査結果に期待したい。
(ジョン・ドゥ)