10月1日から、「東京ディズニーランド」と「東京ディズニーシー」の入園料が値上げされる。運営するオリエンタルランドの発表によれば、1デーパスポートの大人料金の最高価格は初めて1万円を突破する。
東京ディズニーリゾート(TDR)では2021年3月から変動価格制を導入し、現在、1デーパスポートの大人料金の価格は7900円~9400円となっているが、10月からは新たに最繁忙期に適用される9900円と1万900円が追加される。過去10年でTDRは7度パスポート料金を値上げしており、13年の6200円と比較して最高価格では倍近くとなる。
1万円を超えたことにネット上では反発の声が相次いでおり、ディズニー離れが起きるのではないかとの指摘もあるが、経営コンサルタントは分析する。
「値上げによりTDRに行かなくなる人がいるとは思いますが、それがディズニーに与える影響は軽微であると考えられます。最高価格が適用されるのはクリスマスや年末年始など、あくまで最繁忙期限定で、平日の最低価格は7900円から変更されていません。ある意味、混雑を分散させるための値上げとも言えるでしょう」
オリエンタルランドは昨年、1日あたりの入園者数の上限を引き下げる方針を示している。
「コロナ禍前の18年に入園者数は過去最高の3255万人を達成していましたが、混雑によってアトラクションの待ち時間が伸び、グッズを買うにもゆっくり見ることができないとの不満の声もありました。しかし20年、新型コロナウイルスの感染拡大によって入園者数を制限したところゲストの満足度が向上し、客単価も上がったといいます。そうしたことから25年の3月期の入園者数を2600万人レベルに引き下げるといい、優先入場権利を購入できる有料版ファストパス『プレミアムアクセス』の導入や今回の値上げも、その一貫ということです」
ディズニーにそこまでお金を使えないという人は離れるかもしれないが、ファンの満足度は高まり、今まで以上にお金を落としていくだろう。
(小林洋三)