オリックスの杉本裕太郎と広島の九里亜蓮が繰り広げた「マイナビオールスターゲーム2023」第2戦(マツダスタジアム・7月20日)での行為が波紋を広げている。
それは1回表のことだった。オールパシフィックの1番打者として打席に入った杉本はいきなり、バントの構えを見せた。すると九里は、杉本の背中を通過する大暴投。杉本はヘルメットを脱ぎ捨てて怒りの表情を見せながら、マウンドへと詰め寄っていく。対する九里も、なんだコノヤロウとばかりに、杉本に近づく。…と、そのままマウンド付近で2人は抱き合うと、場内にはどよめきが起こったのである。
この「乱闘寸劇」という演出について杉本は、前日に九里と「何かしようや」とネタを打ち合わせたことを告白。九里も「お互い面白いことをしたかった。緊張した」と語った。球界OBが2人の関係を解説する。
「亜細亜大出身の九里と青山学院大出身の杉本は同学年で、同じ東都大学野球リーグ出身。互いをよく知る仲だから成立したネタ。ただ、その経緯を知らないファンはドン引きしただろうね。問題は、当事者がこの感覚を持った上でやろうと思っているのか、ということ。現役を終えてオールOBが参加する『モルツ野球』でも毎年、似たような演出があるけど、オールスターゲームはそこと一緒のレベルではないので」
球界に一石を投じることになったこのシーンは、今後も賛否が入り交じることだろう。