カーリング娘は防寒着を脱いでもすごかった。
北京五輪銀メダリストで女子カーリングチーム、ロコ・ソラーレの司令塔・藤沢五月が、茨城県水戸市で開催されたボディメイクコンテスト「MOLA CUP」のビキニクラスに初出場した。初出場の選手のみで争うノービス部門で3位、オープンクラス2位と大健闘。それでも藤沢は納得がいかなかったようで、テレビのインタビューに「いやぁ正直、勝負事なので優勝したかった。楽しめたことはよかった。(次は)いつというのは分からないが、チャンスがあれば」と次回出場に含みを持たせた。
あの黒光りした筋肉ガチガチのボディビル体型は、これまでの藤沢の姿を知る人にとっては、驚愕のひと言だったことだろう。
脱いだらすごい細マッチョ女性アスリートは、藤沢だけではない。8月、スイスで開かれるボルダリングの世界選手権に選ばれた女子日本代表の野中生萌、久米乃ノ華、中川瑠の筋肉美はまさに芸術だ。特に日本のエース野中は実家の牧場に専用トレーニングルームがあり、握力は片腕だけで56キロ。片手で壁の石をつかんで体重49キロの体を引き上げ、するすると人工の岩場を登っていくのも納得だ。
先日、西武ライオンズの始球式で豪速球を披露した元レスリング日本代表の吉田沙保里は予想を裏切らないが、元フィギュアスケートの浅田真央、元モーグル日本代表の上村愛子も、可憐な顔とユニフォームの下に腹筋のシックスパックを隠す細マッチョ。
陸上や水泳は無駄な筋肉をつけると空気抵抗が増すが、冬季競技や山岳競技は氷上や雪上で全身を支えて安定したジャンプを繰り出すために体幹を鍛え、かつ体温を産生するための筋肉をつけていないと、1シーズンを乗り切れない。
なので、氷上のチェスと呼ばれるカーリングの藤沢が筋肉ムキムキなのは当たり前。氷点下の氷上に数時間立っているのは見た目以上に過酷で、筋肉がないと凍えてしまい、ストーンなど投げられない。
ところがボディメイク出場後、これまで藤沢に抱いていたイメージと違うと、ネット上での誹謗中傷が絶えないという。勝手な妄想を膨らませ、普段のナチュラルメイクから長いつけまつ毛が映える攻めのメイクへ、そして全身がキラキラするビキニ姿へと華麗な変身を遂げた藤沢に心ないコメントを浴びせる中高年男性が、キモいことこの上ない。誹謗中傷するヒマがあるなら、藤沢に引け目を感じないよう筋トレを始めてはどうか。
(那須優子)