札幌・すすきののホテルで首を切断された男性の遺体が発見された事件は大いに世間を賑わせたが、世界にはこれまでに身の毛もよだつ「残虐」な事件が多数発生している。
中でも「中国史上最悪の連続殺人鬼」と恐れられたヤン・シンハイ(楊新海)が1999年から2003年にかけ起こした事件は凄まじい。
ヤンは武漢市から北に300キロほど離れた河南省の貧しい農家の四男として生まれた。17歳で高校を中退すると出稼ぎ労働者として各地を転々としたが、その間に窃盗や女性への暴行未遂の罪で5年の判決を受け、強制収容所に収監されている。
出所後は反省するどころか犯行内容をますますエスカレートさせ、前述のわずか4年間で女性23人に対し乱暴を働き、67人を殺害している。連続殺人を始めるきっかけは「交際していた女性に振られたこと」というのだから、その身勝手さには言葉もない。ヤンは深夜に狙いをつけた家に侵入しては、斧やハンマーで家族全員を虐殺。中にはまだ幼い子どもも含まれていたという。女性は殺される前に乱暴されており、残虐な犯行を無差別に繰り広げていた。
しかし、そんな蛮行もついに終わりを告げる。03年11月3日、河北省滄州市の娯楽施設を警察がパトロールしていた際、不審な行動をとったため拘留。DNA検査などから上記の犯行が発覚し、その後、死刑判決が下されている。
逮捕後、
「人を殺したらまた殺したくなる。彼らが生きるに値するかどうかは気にしない。社会に出たいという気持ちはない。社会は私の関心事ではない」
などと発言したヤン。1949年10月に中華人民共和国が成立して以来、最も多くの人を殺した連続殺人犯として歴史に名を残したが、なんの罪もない被害者たちは死んでも死にきれなかったことだろう。
(ケン高田)